TCG Review

サイト内検索

vol.15 日本らしさに価値を見いだす
田中 秀憲

1 / 3ページ

us_banner
2016年12月号
 
※本コラム「ワールドワイド トレンド」は、アジア編・ヨーロッパ編・米国編の輪番で毎月掲載しています。
 
 
ニューヨークで流行の日本料理
 

日本食ブームのきっかけとなった創作料理店「SUSHI SAMBA」

日本食ブームのきっかけとなった創作料理店「SUSHI SAMBA」


 
 
 
 
米国ニューヨークにおける日本食ブームのきっかけになったのは、言うまでもなく「すし」だが、熟練の職人を必要とするすし店は、他の飲食店よりも人材確保が難しい。その要因もあってか、“SUSHIブーム”の先鞭(せん べん)をつけたのは、日本の老舗すし店ではなく「SUSHI(スシ) SAMBA(サンバ)」という店の創作ずしだった。
同店は他国料理のシェフをうまく活用し、さまざまな国の料理を融合させた「創作料理」「フュージョン料理」と呼ばれるジャンルの店である。人気ドラマのロケ地になったこともあり、若者の間で一躍、人気となった。ちなみに私がニューヨークに住むようになった18年前は、「生の魚を食べるなんて」と眉をひそめられたものだった。まさに隔世の感がある。
しかし、今すしが人気なのは「おいしいのに低カロリーで健康的」「見た目も良くおしゃれ」といった理由だけではない。職人による素材の選別やネタごとに異なる調理、鮮度を維持して最高の状態で提供するという「バックグラウンドストーリー」こそが高く評価されている。
ラーメンにも同じことがいえる。日本の食を代表する食べ物として、海外で大人気であることはご存じだろう。ニューヨークでも毎月のように新規店がオープンするほど人気がある。シンプルに見えて手間を掛けて作られているスープに、厳選された麺や具材の入ったラーメンは、もはや日本の文化としてニューヨークの人々に受け入れられている。
 
 

1 2 3