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vol.9 「凝り固まった思考」からの脱却
田中 秀憲

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2016年6月号
 
※本コラム「ワールドワイド トレンド」は、アジア編・ヨーロッパ編・米国編の輪番で毎月掲載しています。
 
和洋折衷
 
和洋折衷。西洋の風習や様式を日本人の生活に合わせ、様相を変えて取り入れるこの文化は、幕末に生まれた。
現代においても、建築や料理など、日本人の暮らしに身近なものである。例えば、和のあんと洋のパンを1つにしたあんパンや、和のたらこと洋のスパゲティを1つにした、たらこスパゲティなどが挙げられる。
その中には、ウイスキーのように国内市場で高度に洗練された結果、今では世界的に高い評価を得るまでに進化したものもある。これはまさに「海外の日本化」にほかならない。
保守的だといわれることが多い日本だが、一方でこのような柔軟性を兼ね備えているのは美点といえるだろう。
 
 
取り込みはうまいが 「入り込む」のは苦手
 
 
日本の商品やサービスの人気を支えるのは、その高い品質だ。しかし、それをもってしても「現地化」が遅れるため、他国の類似品に市場を席巻されてしまうのは、2016年3月号で述べた通りである。
先日、筆者が訪れたスーパーマーケット(以降、スーパー)でも、日本の企業が商品を海外になじませることがいかに苦手であるかを感じさせられた。
本シリーズ第1回目(2015年10月号)で三田村蕗子氏が指摘していた通り、日本の菓子は世界で人気がある。それは、ニューヨークでも同じだ。日本でおなじみのパッケージは、今やどこのスーパーでも見かける。しかし最近は、日本以外の国の類似品もよく目にするようになった。それらは日本の商品よりも安値で売られているため、ターゲットである若年層から一定の支持を得ている。
 
 
 

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コピー製品(右)は縦型の箱だが、それ以外のデザインはオリジナル(左)のパッケージによく似ている


 
 
 
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ニューヨークでは、アジア諸国からの類似製品がより安価に、そしてより市場に即した形で販売されている

 

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日本のスナック菓子は米国でも人気がある


 
また、カップラーメンは現地化を進めたが故に、本来の品質を失い中途半端な商品になっている。日本で売られているカップラーメンは、地域や人種を問わず広く親しまれている。だが、米国向けに販売されているものは、厳しい規制やコスト減に対応した結果、現地に住む日本人はもちろん、日本のカップラーメンが好きな米国人からもあまり受け入れられない商品になってしまった。
 
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米国向けのカップラーメンは、日本のカップラーメンファンの米国人に、 あまり受けがよくない


 
 
 
 
 

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