TCG Review

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vol.7 タイで鳴り響くファッション狂騒曲。
主役はオシャレに意欲的な中間層
三田村 蕗子

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2016年4月号
※本コラム「ワールドワイド トレンド」は、アジア編・ヨーロッパ編・米国編の輪番で毎月掲載しています。
 


 
常夏の国で厚手のセーターが売れていく
 
 

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2015年3月、バンコクにオープンした高級ショッピングモール「エムクオーティエ」の外観


 
 
年間の平均気温は29℃。亜熱帯の国タイ・バンコクの人々の服装は、私たちが想像する以上にファッション性に富んでいる。
 
 
暑い国の服装といえば半袖、ノースリーブ、短パン、サンダルといったあっさりとしたアイテムをイメージする。しかし、急速に経済力を付け始めたタイの中間層は、日本人が秋冬に着用するようなアイテムもファッションに取り入れている。 
 
 
長袖のシャツ、セーター、厚手のコート、果てはダウンジャケットまで、「この暑い都市のどこでこんな服が必要なのか」と首をかしげたくなるようなアイテムが売り場で堂々と販売され、実際にタイ人の支持を集めている。
 
 
アパレル専門店では、日本の店と同じように、春には春らしい洋服が、夏には夏の装いが、冬には防寒を目的とした服が店頭を飾っている。売り場だけ見ていると、ここが暑い国であることを忘れそうになる。雨が多いか少ないかの違いがあるぐらいで、年間を通してほぼ同じ気候でありながら、タイの消費者は四季を意識した服装を追い求めているのだ。
 
 
外はどんなに暑くても、季節ごとに異なるファッションを楽しみたい。ワンパターンの服装から脱し、バリエーションを楽しみたい。そう考えて実行できるのは、エアコンを過度に効かせて、室内温度を低く保っているためだろう。エアコンの温度を20℃台前半に設定するタイ人は決して珍しくない。日本人なら、ぶるぶると震えるほど涼しい室内で秋や冬の服装に身を包むのは、ファッション志向の強いタイ人にとって当たり前なのである。
 
 
 
 

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