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Vol.2 幸せのカタチは1つではない

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2021年5月号

 

 

体が健康なだけではウェルビーイングな状態とは言えない。精神的な健康も担保し、社員が自発的に仕事へ取り組んでいくためのウェルビーイング経営の「2段階モデル」とは?

 

 

今回から、「ウェルビーイング経営とは何か」という問いに答えていきます。ウェルビーイングの2段階モデルを紹介し、その1段階目について解説します。

 

 

「ウェルビーイング」とは

 

「ウェルビーイングとは何か」という問いへの答えは人によって異なり、多様な見解があります。そこで、まずは学術の領域で蓄積された知見を借りて、考え方を整理していきたいと思います。心理学で蓄積されてきたウェルビーイングの研究は、大きく2つの潮流に分けられます。

 

第1の潮流では、ポジティブな感情が多く、ネガティブな感情を少なく感じ、人生全体に対する満足度が高い状態をウェルビーイングな状態と見なします。例えば、職場で上司に毎日叱られる日々を過ごしていた人が、人間関係の良い職場へ転職した場合に、この種の幸せを実感するかもしれません。

 

第2の潮流では、人生の意義や可能性に注目します。意味あることを成し遂げたり、成長のために努力したりしている状態をウェルビーイングな状態と見なします。職場を見渡せば、ただでさえ忙しいのに挑戦的なプロジェクトのメンバーに立候補する同僚を見かけるかもしれません。夢や目標に向かって努力を続けている人の中には、この種の幸せを感じている人も多いことでしょう。

 

厳しい競争環境の中で組織が成果を残すためには、従業員の成長や努力が欠かせません。従業員の健康状態を単に病気やストレスがない状態にとどめるのではなく、「仕事に意味を見いだし、組織への貢献意欲をもってもらう」状態に近づけることが重要です。

 

本連載では、第2の潮流の考え方に基づき、ウェルビーイングを「人生に意味を見いだし、自分の潜在能力を発揮している状態」を指す言葉として用いていきます。

 

 

 

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