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「錦戸電気アカデミー」で自主性あふれる社員を育てる
錦戸電気 × タナベ経営

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2021年6月号

 

 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 小泉 博史
「企業の思いの実現・達成」を信条に、企業のマーケティングをサポート。広告などのプロモーションのみではなく、ブランドコンセプト、商品・サービスづくり、人づくり、オペレーションの改善までを推進する。企業と顧客を結び付ける「価値」を創造するパートナー。

 

 

能力を引き出すアカデミー次代に備えるジュニアボード

 

小泉 人材の育成については「錦戸電気アカデミー」の開校に向けた準備を進められています。その背景や今後の展開を教えてください。

 

大滝 私は「社員の成長なくして企業の成長はない」と確信しています。アカデミーは教わる側だけでなく、教える側も成長できるという大きなメリットがあります。受講した社員が数年後には教える立場に回るというスパイラルを繰り返したいですね。授業を通して錦戸電気の社員としての基本姿勢の習得と、コミュニケーション能力の向上に努めてほしいと切望します。アカデミーで学んだ成果を客観的に評価することは難しいと思いますが、受講生の周囲にいる社員や担当したお客さまから評価が伝わってくると期待しています。

 

今回は施工管理課のスタッフに向けたアカデミーを開校しますが、教育対象のセクションを順次増やしていく計画です。将来的にはグループ会社全体を対象にしたアカデミーを設ける構想を持っています。

 

水本 アカデミーのほかにジュニアボード(次世代役員研修)にも取り組まれました。その背景や研修の成果をお聞かせください。

 

大滝 前述の通り、私は先代のトップダウン型経営に疑問を抱いていました。役職があっても社員は横一列で、社長が社員の提案や要望に耳を貸そうとしないような状況では、継続的に成長する企業にはなれません。今後、M&Aなどを通じて電気工事のグループを構築するためにも、ボトムアップ型経営が必須という思いがあり、社長就任を機に次代を担う役員の育成を図ったのです。

 

ジュニアボードをスタートさせて痛感したのは、全体を俯瞰的・客観的に分析できる人材が不足していること。しかし、そのような資質を持つ社員も数名いるので、彼・彼女らを経営幹部候補として鍛え、会社を力強く支える存在として育成したいと思いました。

 

水本 ジュニアボードを通して、社員はどのように変化したと感じますか。

 

大滝 経営幹部としての意識が芽生えると同時に、部門の壁を越えて積極的にコミュニケーションを取ろうという姿勢が備わってきたと感じています。これからは、業績を分析して人材育成やM&Aへの投資を生み出すアイデアを提案するといったテーマにも挑戦してほしいですね。

 

アカデミーの開校準備も社員に変化をもたらしているようで、社員同士が率先して進行状況や受講対策などを話し合うようになったそうです。今までは無関心だったことに興味を覚え、自主的にコミュニケーションを取ろうとしている。人任せにせず、主体的に動くようになった。これは非常に大きな成果だと思います。

 

 

総合電気工事グループの中核企業へ

 

水本 最後に錦戸電気の目指すべき姿と、今後の事業展望をお聞かせください。

 

大滝 コロナ禍によって経営の難しい時代に突入し、生き残りをかけた戦いが始まったと痛感しています。実際、新年度スタートとなる3月1日の朝礼で、「2021年度は勝負の年」と宣言しました。売り上げは厳しくなり、さまざまな改善が求められ、今までの通例は通用しなくなります。どの業界でもM&Aが加速し、この2、3年の勝負になるでしょう。

 

熾烈な環境になりそうですが、私自身はワクワク感が止まりません。社員の力を結集すれば、必ず勝てると思っていますから。目指すのは総合電気工事グループの中核になることです。M&Aの難度が上がっており、中期ビジョンの見直しも必要になると考えています。耐えるだけでなく、攻めの検討も積極的に行わねばなりません。

 

水本 コロナ禍がもたらした窮状においても、社長はワクワクが止まらないと述べられました。自社の社員の能力が他社に引けを取らないと確信しているからこその発言だと思います。

 

大滝 私にとって最大の誇りは、当社の社員です。全社一体になって戦ってくれるなら、負ける気はしません。レアル・マドリードのように、社員一人一人がトップアスリートを目指して切磋琢磨する集団になってほしいですね。

 

水本 社員のポテンシャルを最大限に引き出すための錦戸電気アカデミー、次の世代にバトンをつなぐためのジュニアボードと、的確に先手を打たれています。これからの100年のために、タナベ経営は今後も全力で支援いたします。本日はありがとうございました。

 

 

PROFILE

  • (株)錦戸電気
  • 所在地:北海道苫小牧市新明町1-1-8
  • 設立:1914年
  • 代表者:代表取締役 大滝 力緒
  • 売上高::22億円(2021年2月期)
  • 従業員数:38名(2021年3月現在)
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