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“サステナブル”を選べば未来が変わる
「あふの環プロジェクト」で持続可能な消費を推進
農林水産省 × タナベ経営

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2020年12月号

 

 

サステナウィーク期間中、全国の複数店舗でサステナブル商品の特設コーナーを開設(左:WISE・WISE tools 東京ミッドタウン、右上:そごう大宮店)。9月25日にはオンラインセミナー「食と環境を考える1億人会議2020」を開催(右下)

 

 

農林水産省では、持続可能な消費の実現に向けて「あふの環プロジェクト」をスタート。消費者に向けた多角的なアクションを通して、「サステナブルな商品・サービスを選ぶことが、より良い未来の実現につながる」という認識の浸透を図っている。

 

 

消費者の選択が未来を変える

 

井上 農林水産省は、安全な食料の安定供給から、水田や畑、森林、海などの環境保全、農山漁村の振興に至るまで多岐にわたる業務に取り組まれています。まず、最近の取り組みの方向性をお聞かせください。

 

永田 2020年3月31日に「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定されました。これには10年先を見据えて今後5年間で取り組むべき方針が示されています。今回の基本計画では、SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資(従来の財務情報だけでなく環境・社会・企業統治要素も考慮した投資)について初めて記載。農林水産省も、そのような流れを意識しながら施策を進めていくこととしています。

 

そもそも農林水産業は自然の恵みを維持・活用する産業ですから、同業に従事してきた方々は、持続可能性に配慮した事業を展開してこられたはず。自分の事業を持続させるために配慮してきたことが、自然を維持するために必要なことでもあるのですから、「自分たちはSDGsに関与した仕事をしている」と誇りを持っていただきたいと思います。

 

井上 「環境政策室」はどのような業務を担当しているのですか。

 

永田 農林水産業に関連する環境政策を担当しています。具体的には農林水産業に関わる気候変動の緩和策(温室効果ガスを減らす対策)と適応策(温室効果ガスが増えた状況でも事業を継続できる対策)、そして生物多様性や遺伝資源の保全・利用に関わる取り組みを行っています。また、省内の生産局や食料産業局といった物や業界に結び付いたセクションの環境にかかる施策の総合的な取りまとめも行っています。

 

井上 そのような業務に取り組む環境政策室に、「持続可能な生産消費形態のあり方検討会」が発足しました。その背景をお聞かせください。

 

永田 検討会が発足した要因は2つあると考えます。1つ目は、環境政策室が生産者や事業者との意見交換の中で「消費者がそれなりの価格で買ってくれないと、コストや手間をかけられない」という意見をよく頂いたからです。

 

2つ目は、2015年に国連でSDGsが採択されてから各省庁でも「SDGsをどう扱うか」についての関心が高まる中、農林水産省内での検討を進めるうちに、食と農林水産業のサプライチェーン全体を所管する当省が、消費を含むサプライチェーン全体へのアプローチを検討すべきではないかという話になりました。これは、SDGsでいうゴール12「つくる責任 つかう責任」に当たります。

 

井上 検討会の活動の経緯をお聞かせください。

 

永田 検討会では、「消費者と生産者が良い影響を及ぼし合って、より持続可能な方向へ向かうにはどうすべきか」という議論を深めました。2019年11月から2020年2月の間に検討会を3回行い、3月30日に「中間取りまとめ」を発表。ここには「持続可能な消費の実現に向けて、どのようなアクションを起こすべきか」が7分野22項目にわたって明記されています。(【図表】)

 

井上 アクションを行う主体も示されています。とても手応えのある結論を導き出せましたね。

 

永田 環境に配慮して手間とコストがかかった商品を、消費者がきちんと理解して「後押しする気持ち」で買う。その行動が蓄積すると、生産者の作る商品が変わります。それによって新しい市場ができたら価格が下がり、より多くの消費者が購入するようになる。そんな好循環をつくり出すためには、消費者に「自分たちがサステナブルな商品を選ぶことで、未来を変えていける」という発想を持っていただくことが重要なポイントになると考えます。その行動変容につながるアクションを中心に記載しました。

 

 

【図表】持続可能な消費実現に向けた具体的な取り組み(抜粋)

※Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の総称
出所:農林水産省「持続可能な生産消費形態のあり方検討会中間取りまとめ」(2020年3月30日)よりタナベ経営が編集・作成

 

 

 

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