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ブランディングで沖縄から世界へ
比嘉酒造×タナベ経営

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2019年9月号
 

泡盛業界でトップクラスのシェアを誇る『残波』。製造する比嘉酒造が創業70周年を機に展開するプロモーションが、各地で大きな反響を呼んでいる。泡盛のイメージを超えた魅力を発信し続ける背景には、確かな商品力と「ザンパの日」を軸に据えた新たなブランディング戦略がある。

 
 
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残波ブランドで幅広い支持を獲得
 
寺井 比嘉酒造は創業70年を超える泡盛メーカーであり、自社ブランド『残波』は沖縄県内でトップクラスのシェアを占めるなど業界をけん引する存在です。まずは創業の経緯からお聞かせください。
 
比嘉 当社の創業は戦後間もない1948年。物資不足の中、メチルアルコールなど飲料用以外のアルコールを摂取して失明する人が後を絶たない状況を憂いた祖父・比嘉寅吉が、「沖縄県民に安心・安全なお酒を提供したい」との思いから創業したと聞いています。1953年には酒類製造免許を取得し、地元の読谷村高志保にちなんだ『まるたか』を発売。1980年に発売した『残波』は当社の主力ブランドに成長し、現在に至っています。
 
寺井 沖縄県内において、残波は非常に高い認知度を誇っています。沖縄全土に知れ渡った要因はどこにあるのでしょうか?
 
比嘉 名前の由来になった残波岬は県内でも有数の景勝地ですから、なじみがあり覚えやすかったことも理由だったと思いますが、知名度が一気に高まったのは1995年に放映した沖縄民謡歌手の前川守賢氏を起用したテレビCMがきっかけでした。さらに、父であり先代社長の比嘉健は、女性や泡盛が苦手な方でも飲みやすい蒸留酒の開発に力を注いでおり、試行錯誤を重ねて誕生した『残波25度(ホワイト)』『残波30度(ブラック)』によってファン層が広がったことがシェア拡大につながりました。
 
寺井 今、沖縄経済は観光を中心に大変活気づいていますが、それに伴って泡盛の市場規模も拡大傾向にあるのでしょうか?
 
比嘉 残念ながら、市場自体は縮小しています。最大の要因は、人口減少や若年層のアルコール離れが進んでいること。中でも、「くさい」「アルコール度数が高い」というイメージが強い泡盛の消費量は減少傾向に動いています。
 
寺井 市場活性化のためにどのような手を打たれていますか?
 
比嘉 当社を含めてメーカー各社は、カクテルにリキュールとして泡盛を使うなど新しい飲み方の提案に力を入れています。早い段階から若年層や女性向けの商品開発を行ってきた当社としては、その経験を生かして新たな商品開発に取り組んでいく役割があると考えています。加えて、販路を沖縄県外、さらに海外に広げるにはブランディングが必要です。「泡盛=沖縄の焼酎」という既存のイメージを超える、新たなコンセプトを発信していこうと挑戦しています。
 
 

比嘉酒造 代表取締役 比嘉 兼作氏残波ブランドで幅広い支持を獲得1972年沖縄県読谷村生まれ。東京農業大学で醸造学科を専攻。1997年に比嘉酒造へ入社し、2009年に3代目代表取締役社長に就任。泡盛振興と読谷村PRに尽力し、沖縄県酒造組合理事、沖縄県酒造組合青年部副部長、読谷村観光協会副会長、読谷村商工会理事を務める。

比嘉酒造 代表取締役 比嘉 兼作氏
1972年沖縄県読谷村生まれ。東京農業大学で醸造学科を専攻。1997年に比嘉酒造へ入社し、2009年に3代目代表取締役社長に就任。泡盛振興と読谷村PRに尽力し、沖縄県酒造組合理事、沖縄県酒造組合青年部副部長、読谷村観光協会副会長、読谷村商工会理事を務める。


 
 
 

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