vol.13 タワーレコード × タナベ経営SPコンサルティング本部
2016年10月号
キャラクターコラボで
新たな客層を開拓
音楽文化の最新情報を発信し続けているタワーレコード。同社は現在、音楽・映像のソフト販売にとどまらず、イベントスペースやカフェも展開し、新たな顧客層にアプローチをしている。
音楽文化の発信基地が新しい業態を模索
主要都市を中心に全国で84店舗(2016年8月1日現在)を展開し、音楽文化の発信基地として大きな役割を担っているのが、「NO MUSIC, NO LIFE.」のコーポレート・ボイスでおなじみのタワーレコードだ。
米国で誕生したタワーレコードが日本に初上陸したのは1979年のこと。当初は米国法人の事業部の1つとして、輸入レコードの卸販売を行っていた。翌80年、札幌に日本第1号店をオープン。次いで渋谷に第2号店をオープンし、日本法人を設立した。
広々とした店内フロアに多彩なジャンルのレコードを整然と並べ、陳列棚にはスタッフのお薦めコメントが手書きされたPOPを飾る――。当時のレコード店の常識を覆す斬新な販売方法に人々はとりこになり、後に日本に上陸する多くのメガストアの先駆者となった。
1995年に渋谷店を宇田川町から神南1丁目へ移転すると、音楽ソフトの他に映像ソフトや書籍の取り扱いを開始。以来、新しい形の文化発信基地として大きな存在感を示した。
2008年には大型店舗だけでなく、さまざまな展開も始めた。例えば、駅ナカ・駅チカに小型店舗の「TOWERmini(タワーミニ)」を出店。大阪・高槻市の百貨店内にも店を構えるなど、これまでとはコンセプトの異なる店舗に挑戦して顧客の幅を広げていった。
また2012年には、旗艦店の渋谷店をフルリニューアル。「360°エンターテイメントストア」をコンセプトに、売り場面積の拡張はもちろん、イベントスペース、カフェ「TOWER RECORDS CAFE」なども新設した。これにより「音楽を軸に多角的なサービスを提供し、音楽と直に出会える場所を提供する」という、タワーレコードが目指してきたスタイルのショップが完成した。

タワーレコード 商品本部
新保 純也氏