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vol.43 イトーキ × タナベ経営 SPコンサルティング本部(後編)

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2019年9月号
 
工場内オフィスの“見える化”で
「共創空間」を生み出す

 
 

寝屋川工場5階のオフィススペース。入ってすぐのリフレッシュスペースは、打ち合わせや出張者のワーキングスペースとして活用。

寝屋川工場5階のオフィススペース。入ってすぐのリフレッシュスペースは、打ち合わせや出張者のワーキングスペースとして活用。


 
 
管理職のデスクは高さを調節でき、立って仕事をすることも可能

管理職のデスクは高さを調節でき、立って仕事をすることも可能


 
 

工場に併設した事務棟は、効率化が進む生産現場に比べると改革が遅れがちである。イトーキは大阪・寝屋川工場で徹底した“見える化”を図り、社員の働き方を抜本的に見直すオフィス改革に取り組んでいる。

 
 
オフィスが変われば働き方も変わる
 
管理部門のオフィス改革は数多いが、工場のオフィス改革はあまり例がない。工場の生産ラインなどでは現場の改革・改善が従来から重要なテーマとなっていたが、生産現場に隣接するオフィス改革は、コスト面からもあまり重要視されていなかった。
 
イトーキは旧本社ビル(大阪市城東区)の売却に伴い、2018年6月に生産関連部門を寝屋川工場(大阪・寝屋川市)へ移転・集約することを決定。事業部制で各所に分散していた拠点を整理統合するとともに、ものづくりの現場に設計・開発・調達・生産技術・品質保証・知的財産などの機能を集めることによって、よりスピーディーな開発・生産を実現することを目指した。
 
そこで、寝屋川工場では社員の働き方を抜本的に見直すオフィス改革を進めることを決めた。オフィス改革を指揮した本部久雄氏(常務執行役員・生産本部 本部長)は「当社は、ものづくりの現場において業界ナンバーワンのQCD(品質・コスト・納期)を掲げています。しかし、新商品開発のプロセスややり方は旧態依然としたものでした。旧本社の売却と寝屋川工場への移転・集約を機に、プロジェクトチームを立ち上げて働き方の刷新を目指しました」と話す。
 
寝屋川工場のオフィス改革は、SDGs(持続可能な開発目標)という世界レベルでの大きな潮流を受けて政府が推進する働き方改革(外的要因)と、旧本社売却に伴う寝屋川工場への移転(内的要因)といった二つの要因を推進力に実行されたのだ。
 
若手社員で編成するプロジェクトチームを立ち上げ、理想のワークスタイルの議論をスタートさせたのは、2017年12月。メンバーは自らの本業を行いながら、2018年6月の移転に間に合わせるという制約の中で、数々の改革案をまとめた。
 
プロジェクトチームが取り組んだのは、従来の仕事のやり方を抜本的に見直すこと。日々慣れ親しんだ仕事の空間・時間の使い方や作業のやり方を変えることには、つい二の足を踏んでしまう。そうした社員の固定観念をどう打破するかに苦労した。
 
本部氏は「開発担当者はブースにこもって仕事をするのが当たり前と考えており、抵抗勢力となりました。しかし、私は多様な部署と知見を共有しながらスピーディーに開発し、かつクオリティーを向上させる『共創空間』をどうつくり上げるかが、重大なポイントと考えました。そこで、それぞれの仕事の『見える化』をどう実現するか、考えるようにアドバイスしました」と振り返る。
 
画期的な新商品を世に出すには、豊富なアイデアとスピーディーな開発が欠かせない。そのキーパーソンたちがブースから出て交わることで、新たな思考が生まれる。さらにアイデアを商品として形にするまで、サポートができるようなオフィスづくりを目指したのである。
 
 
 

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