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vol.42 イトーキ × タナベ経営 SPコンサルティング本部(前編)

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2019年8月号
 
「未来の働き方」を具現化する新本社オフィス
 
 

デザイナーのためのワークスペース(上)オフィスの中央に、オープンなカフェスペースを配置(左)オフィスの一室に「座禅スペース」を完備(右)SDGsへの取り組みを社内外に周知し、啓発を図るためのバッジ(下)

デザイナーのためのワークスペース(上)
オフィスの中央に、オープンなカフェスペースを配置(左)
オフィスの一室に「座禅スペース」を完備(右)
SDGsへの取り組みを社内外に周知し、啓発を図るためのバッジ(下)


 
 

国を挙げた「働き方改革」の取り組みが進む中、イトーキでは“ 明日の「働く」を、デザインする。” をミッションステートメントに掲げ、自社の働き方の変革に取り組んでいる。中でも、2018年に開設した新本社オフィス「ITOKI TOKYO XORK」では「自由」と「自律」をキーワードに、一人一人の働き方の自律的なデザインに挑戦している。

 
 
新しい働き方の提案でSDGsに貢献
 
現在、先進国のみならず途上国における経済活動が急速に活発化しており、国際社会では「持続可能な開発」が喫緊の課題となっている。国連は2015年に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として、17のゴールと169のターゲットを設定。それらは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」、通称「SDGs」と呼ばれ、普及が進んでいる。すでにSDGsへの取り組み姿勢を投資の判断基準とする考え方も広まっており、国家レベルだけでなく、今や企業にとっても戦略的に取り組むべき経営課題となっている。
 
こうした中、「人も活き活き、地球も生き生き」を掲げ、持続可能な社会の実現を目指すイトーキグループは、オフィス環境や空間デザインの改革により新しい働き方を提案。同社の取り組みは、働きがいのある仕事と持続可能な経済成長を目指すSDGsの目標にも合致している。同社の考えを体現するのが、2018年に開設された新本社オフィス「XORK」である。
 
 
働き方の進化系「XORK」
 
東京・日本橋に位置するイトーキの本社は「XORK」というコンセプトでつくられた最先端のオフィス。XORKとは、アルファベット順でWの次に来る“X”とWORKをかけ合わせた、「働き方の進化形」を示す造語だ。
 
XORKは、オフィスにおける働き方を「高集中」「コワーク」「対話」「アイデア出し」など10のタイプに分類し、仕事の目的に沿って自己裁量で適切な場所を選ぶというABW(Activity Based Working=仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ働き方)の考え方を推進した構成である。
 
ワークスペースはフリーアドレス。社員には個人ロッカーが割り当てられており、どこで仕事をしても構わない。集中したいときは集中ブースや個室、相談するときは対話スペースといった具合に、仕事内容に合わせて最適な場所を選択できる。
 
長方形のオフィスでは、中央にコミュニケーションスペース、両端に行くほど集中度を高めるスペースが配置されている。また、各フロアにカフェスペースが設けられ、座禅が組める空間や休憩・仮眠できるリラックススペースもある。
 
XORKの設計に携わった中野健司氏(FMデザイン設計部部長)は「居心地の良さを追求し、より家庭のリビングに近づける発想で設計しました。リラックスしながらパフォーマンスをいかに向上させるかに着目したのです。現在の働き方改革は、『時短』がキーワードとなっていますが、次はオフィスの環境が注目されると考えています」と話す。
 
同社が東京に分散したオフィスを集約移転し、XORKがオープンしたのは、2018年秋。移転に先駆けて、まず経営幹部が目指すべき働き方・オフィスのコンセプトを提示。次にどういったオフィスにするかを社員がワークショップ形式で検討しながら、具体策へと落とし込んだ。
 
働き方を変えることに社内の抵抗もあったが、「まずはやってみようと思いました。うまくいかなければ、変えていけばいい。失敗も貴重な経験値となりますから」とCSR推進部部長の原孝章氏。確かに、新しいオフィス空間を提案する同社にとって、自社での取り組みという経験値は失敗も含め、大きな財産になる。
 
XORKの取り組みは、社内外で大きな反響を呼んだ。広報IR部部長の川島紗恵子氏は「1日20組ほどの見学があり、メディアの取材も数多く依頼があります。実際に来られると、その規模と取り組みの徹底ぶりに驚かれます」と話す。
 
3フロアに跨るオフィスは中階段で移動でき、全フロアを見学することができる。役員スペースも例外でなく、社長・会長がガラス張りの自室で執務中でも見学できる徹底ぶりだ。
 
原氏は「最先端のオフィスなので、そのままお客さまのオフィスに当てはめるのは難しい。XORKからヒントを得て、お客さまのオフィスにどのように落とし込むかが重要」と指摘する。
 
 
ABWの考え方に基づく「10の活動」

c2018 Veldhoen+Company All Right Reserved.※「10の活動」はオランダのワークスタイルコンサルティング企業VELDHOEN+COMPANY社の研究により作られた考え方。イトーキは同企業とABW(Activity Based Working)のビジネス展開について業務提携を結んでいる

c2018 Veldhoen+Company All Right Reserved.
※「10の活動」はオランダのワークスタイルコンサルティング企業VELDHOEN+COMPANY社の研究により作られた考え方。イトーキは同企業とABW(Activity Based Working)のビジネス展開について業務提携を結んでいる


 
 
 

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