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NEXT建設イノベーションフォーラム2021

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高速・非連続・低成長の時代にこそ必要な
10年先を見据えた建設業のビジョン

 

 

タナベ経営は2021年5月26日、「NEXT建設イノベーションフォーラム」を開催した。225名の経営者や経営幹部らがライブ配信を視聴し、企業環境が急速に変化する時代において、自社の持続的な成長のために必要な知見を学んだ。

 

 

未来への打ち手を考える

 

本フォーラムは、建設業の現状や課題の基調講義(タナベ経営ドメインコンサルティング東京本部・部長の石丸隆太)から始まった。

 

国土交通省の「令和2年度(2020年度)建設投資見通し」(2020年10月)によると、バブル崩壊をきっかけとして2010年に約42兆円まで下がった建設投資は、2020年には約63兆円(見込み)と回復基調にある。また、民間非住宅建築分野では、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)やリニアモーターカーの開発、公共土木分野では「国土強靭化計画」や防災・インフラ設置の影響で、建設業の需要は当面維持されると言われている。

 

しかし、「建設業界には3つの課題が残っている」と石丸は続ける。1つ目は、建設業就業者の人手不足。理由として、入社3年目までの離職率の高さ(大卒25%、高卒50%)が挙げられる。2つ目は、建設業におけるICT普及率の低さ。人が行う業務を機械に置き換え、人手不足も併せて解決していくことが重要である。3つ目は、多くの企業が下請けのビジネスモデルであること。自社の強みを見つけ、地域に根差しながら新しいビジネスモデルを構築していく必要がある。

 

「まずは長期ビジョンを策定し、推進を通して人材も育成していくことが重要。長期ビジョンの策定と推進に当たっては、次の3つのフェーズが必要」と、タナベ経営の執行役員である山本剛史は提言した。

 

(1)長期ビジョンの策定

 

まず、自社のあるべき(なりたい)姿を描く。次に、複数の事業を組み合わせて成長戦略を計画する。タナベ経営では、事業の数を増やし、それを組み合わせて新しい価値を提供することが最も重要と考えている。そのためには経営資源の再配分が必要であり、その際は撤退戦略を中心に考えることがポイントとなる。「何を始めるか」ではなく「何をやめるか」を決めていくのだ。新規事業などの新しい戦略は次世代メンバーでも考えることができるが、撤退の判断はトップにしかできない。

 

(2)中期経営計画の策定

 

中期経営計画策定と人材育成における課題は主に3つ。1つ目は、全社戦略に社員が興味を示さないということ。2つ目は、現場改善の話に終始してしまうということ。3つ目は、ないものねだりになってしまうことである。まずは、全社最適で考えることができるリーダーの育成が重要だ。次に、現場改善ではなく改革について議論する。最後に、「誰が何をやるか」を決め、責任の所在を明確化させる。

 

(3)インナーブランディングの推進

 

コロナ禍によるテレワークの普及や、ダイバーシティー推進による多様性の拡大により、今後は社員の声を1つにまとめるインナーブランディング施策が重要になる。「ビジョンを打ち出した段階で全社員が瞬時に理解し、賛同することはない」(山本)。有事の際の従業員エンゲージメントは、日頃のインナーブランディングで決まると言っても過言ではない。

 

 

(株)タナベ経営
執行役員
ドメインコンサルティング大阪本部長
山本 剛史

 

 

(株)タナベ経営
ドメインコンサルティング東京本部
部長
石丸 隆太

 

 

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