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2017.07.31

特集1:アグリビジネス

2017年8月号

 

 

2015年度の全国JA事業総利益、13年ぶりに前年度を上回る

 

農林水産省が発表した「総合農協一斉調査」によると、全国の総合農協(以降JA)の2015年度事業総利益が前年度比0.8%増の1兆8561億円となり、2002年度以来13年ぶりに前年度を上回ったことが分かった。(【図表】)

 

同調査は2015年4月1日~ 16年3月31日までに事業年度が終了した686組合が対象。主要4事業別の総利益は、「信用事業」(銀行業務)が7728億円(前年度比1.0%減)と2年度連続で減少したものの、「共済事業」が4740億円(同1.9%増)と2000年度以来15年ぶりに増加した。また「購買事業」(0.7%増の3100億円)と「販売事業」(5.9%増の1442億円)も増加に転じた。

 

ただ購買事業については、購買品供給・取扱高が2兆6079億円(5.2%減)と前年度に引き続き減少した。内訳は「生産資材」が1兆9021億円(4.0%減)、「生活物資」が7058億円(8.2%減)だった。生産資材のうち「肥料」(1.4%増の3014億円)、「農業機械」(3.4%増の2347億円)、「農薬」(4.2%増の2282億円)は増加し、「燃料」(24.2%減の2950億円)が大きく減った。生活物資も食料品や家庭燃料など全品目が減少した。

 

一方、販売事業は販売品販売・取扱高が4兆5349億円(4.8%増)と増加した。「農産物」は3兆2126億円(3.1%増)、「畜産物」が1兆3223億円(9.2%増)。農産物は「米」(3.9%減の7914億円)が3年連続で減少したが、「野菜」(7.2%増の1兆3684億円)と「果実」(4.2%増の4128億円)が天候不順による価格高騰で増加した。

 

畜産物は「肉豚」(7.6%減の1066億円)が減少し、「肉用牛」(28.6%増の5248億円)と「生乳」(4.6%増の4853億円)が伸びた。

 

なお、組合員総数は1037万人と前年度に比べ1.0%増加した。ただ、農家である「正組合員数」が443万人(1.4%減)と引き続き減少し、貯金や共済などを利用する非農家の「准組合員数」は594万人(2.8%増)と増加した。2009年度以降、非農家の数が農家の数を上回る状況が続いており、准組合員の割合は57.3%(1.1ポイント増)と6割に迫っている。

 

 

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