TCG Review

サイト内検索

vol.9 世界的に人気を博しているスパークリングワイン

1 / 4ページ


2018年1月号
 

「意味のイノベーション」に長けているイタリアの中小企業の例として、今回はプロセッコというワインを挙げる。その歴史や地域文化など、ルーツをひもとくことで見えた成功要因を紹介したい。

 


 
 
市場の主役に躍り出たスパークリングワイン
 
この十数年、スパークリングワインのトレンドとして市場で注目を浴びているイタリアのプロセッコ。2016年、消費量ではフランスのシャンパンを上回った。
 
やや甘味があり、普通のワインのアルコール度数が13~14%であるのに対し11%と低い。しかも、おおむねシャンパンほど値段が高くない。そこで伝統的なスティルワインになじみのない若年層や女性も気楽に口にする機会が多い。
 
売り上げ成長率は毎年、前年比で2桁台をたたき出すも、海外バイヤーからの出荷要求は強く、ブドウの収穫量が需要になかなか追い付かない状況だ。
 
2016年の実績で、プロセッコDOC(政府認可の統制原産地呼称)が19億ユーロ、DOCよりも上級のプロセッコ・スペリオーレ・コネリアーノ・ヴァルドッピアーネDOCG(政府認可の統制保証付原産地呼称)は5億ユーロを売り上げた。
 
DOCに限れば、売り上げの75%は輸出である。輸出先の筆頭は英国であり、その後に米国、ドイツ、フランスと続いている。これらの国だけで全輸出のだいたい70%を占めているという。
 
プロセッコはイタリア北東部、フリウリ州とヴェネト州の限定された地域で育った、「グレラ」という種類のブドウを発酵してボトリングされている。
 
ここで正確に言えば、プロセッコは全てスパークリングではない。DOCを例に挙げると、スティルワイン(圧力が1バール以下)もある。が、全体の生産量の1%しかない。セミスパークリングに分類されるフリッツァンテ(2.5バール以下)は23%。スプマンテと呼ばれるスパークリング(3バール以上)が76%である。従って、ほとんどのプロセッコは「泡もの」と見なされるわけだ。
 
今回はプロセッコのビジネス史も顧みながら、市場で成功するに至ったポイントを見ていきたい。
 
 

1 2 3 4