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vol.8 タナベ経営 北陸

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2016年5月号
 

■「北陸新幹線ブーム」


『日経トレンディ』(日経BP社)が昨年11月に発表した「2015年ヒット商品ベスト30」の第1位に、「北陸新幹線」が選ばれたのは記憶に新しい。15年3月の開業以降、金沢駅周辺は今もなお外国人と日本人の観光客でごった返している。


楽天が運営する旅行予約サイト「楽天トラベル」(http://travel.rakuten.co.jp/)によると、2015年で最も予約実績を伸ばした国内旅行先ランキング1位に、石川県(前年比40.1%増)が輝いた。特にNHK連続テレビ小説『まれ』の舞台となった奥能登地方(能登・輪島・珠洲)が40.5%増と好調で、金沢駅を拠点とした石川県内の周遊旅行が人気を集めた。


また年末年始(15年12月26日~16年1月3日)の国内旅行の予約状況では、伸び率1位が富山県(前年同期比68.9%増)、5位に福井県(同37.5%)、7位に石川県(36.5%増)が入り、北陸エリア全体で42.7%増と大きく伸びた。北陸3県は今、「北陸新幹線ブーム」に沸いている。

 

金沢―東京間を結ぶ北陸新幹線(写真:JR 西日本)

金沢―東京間を結ぶ北陸新幹線(写真:JR 西日本)


 



■ バラエティーに富む産業集積


北陸3県の人口は、富山109万人、石川116万人、福井80万人の計約305万人(15年1月1日現在、総務省推計値)で、全国の2.4%を占める。県内総生産(名目、12年度)も富山と石川が各4.4兆円、福井が3.1兆円の計約11.9兆円と、全国の2.4%(内閣府『平成24年度県民経済計算について』)である。


北陸3県は、それぞれ特徴のある産業を持つ。例えば、富山の主要産業は医薬品とアルミニウム。富山市内には医薬品メーカーや医薬品受託会社がずらりと並び、「日本の薬都」として存在感を示している。隣の高岡市は銅・アルミの町で、大手アルミサッシメーカーや協力会社が密集する。


一方、石川は前述の通り、宿泊・観光業が主力。特に金沢市は兼六園、東茶屋街、近江町市場を有する観光都市であり、観光客向けの土産品製造業など、歴史と伝統のある企業も数多い。また和倉・山代・山中地区は、きめ細かいサービスで多くの支持を得ている旅館・ホテルが軒を連ねる。


そして福井は、繊維産業とめがね産業が全国に知られる。繊維関連では炭素繊維事業や非衣料分野への展開が盛ん。また鯖江市は全国トップシェアを誇るめがねフレームの一大産地である。2022年には北陸新幹線が敦賀まで延伸される予定だ。今後も北陸地域は目が離せないエリアである。

 



■ 北陸地域が抱える課題


北陸地方は伝統のある企業が多く、既存のビジネスや従来型のサービスに強みを持つ。だが、「新事業・新分野・新サービス」という観点でみると、まだ物足りない。確かに北陸は「モノづくりの技術力」「きめ細かいサービス」「豊富な観光資源」など、経済成長のポテンシャルは非常に高い。が、


現在は、既存のビジネスや従来のサービスだけで成長を続けることは難しい。保有する技術やノウハウを進化させながら、目まぐるしく変わる経営環境に柔軟に対応し、新たな顧客創造と需要開拓ができなければ生き残れない。


現在の業績は、過去に打った手の結果である。また現在の業績が良いとしても、それは必ずしも未来を保証するものではない。今後は環境に適応できた企業だけが生き残る。自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を再認識し、自社独自の強みと立ち位置を打ち出して、未来の成長マーケットに参入し続ける企業だけが、新しい時代に向かって成長できるのだ。


伝統の事業と、新しいビジネス・サービスとの融合によって、北陸3県の企業はますます強くなる。その際は、新たな勝てる場の発見と、勝てる条件づくりが求められる。つまり、「成長戦略づくり」がキーポイントとなる。


富山・石川・福井を担当するタナベ経営北陸支社は、1980年の開設以来、北陸の中堅・中小企業のコンサルティングを行ってきた。クライアントの収益性や生産性を持続的に向上させるサポートを通じ、変化と成長に挑む企業の戦略パートナーとして、北陸の地方創生に貢献していきたい。

 
 

タナベ経営 コンサルタント

タナベ経営 北陸支社

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