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vol.7 タナベ経営 新潟

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2016年4月号
 

■ 事業価値をブランディングせよ


新潟県といえば「コメ」や「日本酒」というイメージが強いが、食品加工業でも米菓や水産練り製品、切り餅などの出荷額は全国トップである。また、燕三条を中心とする金物加工業は高い技術力を誇っており、金属洋食器の出荷額でも全国トップを維持している。アウトドア用品も全国ブランドを有する企業が複数あり、加工技術の集結地という地の利を生かせる特徴がある。


しかしながら、現在の新潟企業は、長年にわたり培ってきた「新潟ブランド」に甘んじている現状がある。地域に眠る資源を新たな視点で磨き上げるとともに、そこに自社の付加価値をプラスして、商品価値・事業価値を高めていくことが求められる。


地域の中堅・中小企業は、事業価値をブランディングしながら、販路を新潟県内だけでなく、首都圏など広く日本全国または海外に求めると同時に、需要を地元へと呼び込まねばならない。

 

■ タナベ経営が考える「新潟創生」4つの柱


 



■ 地域の特徴を全国規模で発信


1つの企業だけでなく、地域の企業が合同で地元の特色を発信する「地域ブランディング」が注目されている。新潟の地域から全国へ向けた発信として「燕三条工場(こうば)の祭典」と「新潟淡麗 にいがた酒の陣」を紹介したい。


「燕三条工場の祭典」とは、金属加工の産地、新潟県燕三条地域の名だたる工場が一斉に工場を開放し、職人たちの思いや誇りが詰まった工場でモノづくりを体感してもらうというイベントである。2015年には日本全国から1万9000人以上が訪れた。


2016年10月に予定している第4回の祭典では、農業を中心とした「耕場(こうば)の祭典」を同時期に開催するという。その他にも、燕商工会議所が主体となった「メイド・イン・ツバメ認証委員会」では、商品の原産地と品質安全性を認証することで、商品と地域のブランディングに挑戦している。


「新潟淡麗 にいがた酒の陣」は、新潟県酒造組合の設立50周年を記念して2004年に第1回が開催されたイベントである。回を重ねるごとに来場者が増え、第11回(2015年3月)には2日間で過去最高の12万人が集まった。新潟が誇る約90の酒蔵の地酒500種類以上を、新潟の多彩な料理とともに味わえるこの催しは、県外・国外の酒好きの交流イベントとして定着してきている。

 



■ 地域の雇用増を図り、地域全体の活性化へ


日本経済の課題の1つに「東京一極集中」がある。出生率が低い傾向にある東京に人口(特に若者)が集中することで、日本全体の人口が加速度的に減少することも懸念されている。


新潟県の人口は約230.3万人(2015年12月1日現在推計人口、新潟県発表)だが減少傾向にある。県内総生産(GDP)を見ると全国の1.8%にとどまっており(新潟県『平成24年度県民経済計算の概要』)、相対的に生産性が低い状況にあるといえる。


地方創生の狙いは、地域経済の活性化を通じて日本経済を成長させていくことにある。そのためには「魅力あふれる地方を創生し、地方への人の流れをつくる」ことが重要だ。まずは地方から東京への人口の流出を食い止め、逆に東京から地方へ人口を還流させていくことが求められる。


地域の人口を増やす方法は、「地域での雇用を創出すること」に尽きる。地域経済の主役である地場の中堅・中小企業が雇用を創出するためには、企業で働く社員の所得水準を上げることが不可欠になる。所得水準を上げるためにも、企業が生産性を高め、社員にとって魅力ある高収益企業にしていくことが求められるのだ。

 



■ 越境(ボーダレス)戦略による高収益モデルを創造する


企業が高収益体質を実現するためには、ビジネスモデルそのもののイノベーションが必要である。その着眼は「現有の経営資源をフルに生かす」ことではなく、「経営資源の配分そのものを変える」レベルであることが求められる。


高収益ビジネスモデルの目標は「売上高経常利益率10%の体質づくり」とタナベ経営は提言している。そのためには、業界をリードし、業界の常識そのものを塗り替えるレベルの変革が必要となる。自社の経営資源を、どこに、どのように提供するか。業種・業態ではなく、ビジネスモデルを変革していかなければ、収益力を高めることは難しい。


いわば、広い視野で見て、「越境(ボーダレス)へ挑むビジネスモデル」を創造する必要があるのだ。地域内だけでなく首都圏、海外へ。また、自業界に固執せず周辺マーケットにまで広げる。まさに「越境戦略」である。


外部環境が変化する中、企業は収益構造自体を改革していかなければ高収益体質になることができない。現場の生産性向上やコストダウンレベルの対策では、環境変化に左右される体質から脱却できないのが現実である。


タナベ経営新潟支社は1976年の支社開設以来、今年(2016年)で40周年の節目の年となる。新たに「企業の成長をリードし、『新潟創生』に貢献する戦略パートナー」というビジョンを掲げ、新潟創生の主役となる地場の魅力的な中堅・中小企業づくりに貢献することを使命としている。収益性の向上による新たな雇用の創出、持続的に成長発展するビジョンづくりに役立てるよう努めていきたい。

 
 

タナベ経営 コンサルタント
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タナベ経営 新潟支社

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