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Vol.69 地ならしと開墾を目指す

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2021年6月号

 

 

野川染織工業「たももぱんつ」

織られた布ではなく、糸を天然発酵させた藍液で染める技法「天然発酵建て・先染め」によって作られる同製品。藍に染めることで強度が増し、虫除けや殺菌効果が得られる

 

 

古くて新しい野良着

 

面白い商品を先日購入しました。藍染めのイージーパンツで、商品の名を「たももぱんつ」といいます。埼玉県羽生市で100年以上、藍染めをなりわいとしている野川染織工業による一着です。

 

これ、テレワークを続ける毎日の仕事着にちょうどいい感じです。肌ざわりが優しいし、はいていてとても楽なのです。同時に、その色合いに味があるので高揚感を得られるのもまた良い。

 

武州の藍染めというと、剣道着の世界ではその名を知られた存在ですが、このような日常使いできる衣服を精力的に作っているとは、恥ずかしながら知りませんでした。しかし、よくよく同社に聞いてみると、武州の藍染めに携わる事業者にとってはごく自然な話なのだそうです。

 

もともと、武州をはじめとする日本国内の藍染めの綿織物は、かつて庶民の野良着や足袋の表地などに用いられ、私たちの生活に根付いていたものなのだそう。汗ばむ夏でも肌に心地よく、しかもアイには虫除けの効果を期待できるとあって、作業時にまとう衣服の素材として至極便利な存在だったと言います。田んぼで農作業をする人に好適な股引だったことが、このイージーパンツの由来であり、たももぱんつと名付けられたとも聞きました。要するにこの商品は「現代の野良着」なわけです。

 

 

 

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