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【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2017.08.31

vol.24 話を終わらせてしまう、こんなひと言

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2017年9月号

一緒になって喜んでくれると期待したのに……

夕方に放送されたあるテレビ番組の「デパ地下特集」で、自社の食品がチラッと映った場面を目撃した、開発部門の管理職(48歳)は、あまりのうれしさに、入社間もない若手社員(24歳)にこう話し掛けたのだそうです。

上司 「うちの新商品の〇〇、昨日、テレビに出てたよね!」

24歳の部下「そうなんですね〜(‘o’)」

思わぬ薄い反応に、上司はその場をいったん引き下がったものの、納得がいかず、私に散々愚痴をこぼしたのです。

上司 「『そうなんですね〜』って、事前にテレビ局からのオンエア情報でも入手していたのか? 番組を見て、初めて知ってビックリしたり喜んでる私は、脳天気でアホだとばかにしているのか? それとも、自分の会社の商品に、そもそも関心なんてないのか!?」

まあ、ここまでひがむ上司にも問題はありそうですが……。

一方、総務部のベテラン女性も憤懣やるかたがないという感じです。この秋から受け付けの女性が2人、新しいメンバーに代わったのだそうです。

採用業務に一部関わった彼女は、素晴らしい人材を得られたことを誇らしげに思っていました。

そこで社内の反応を知ろうと若手男性社員の1人にこう尋ねたのだそうです。

彼女 「受け付け、今度、また2人新しい女性が加わったのよ」

男性社員 「そうなんですね〜」

彼女は男性社員の、サラッと平板に繰り出した無表情な言葉、「そうなんですね〜」に激怒していました。

「受け付けに新人登場」は、一昔前であれば、若い男性にとっては確実に「ビッグニュース」でした。

「えっ! まだお目にかかっていませんが、どんな感じの方ですか?有村架純とか、広瀬すずみたいだったりします? 楽しみだなあ!!!」

上司の一言にここまで乗っかるのもそれはそれで問題ですが、上司の提供した話題に「興味・関心を示す」というルールにかなった「受け」は、こちらの方です。

「そうなんですね〜」の評判は、想像以上に悪いのです。

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