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【メソッド】

梶原しげるのビジネスに効く!会話のヒント

文化放送のアナウンサーを経てフリーに転身。テレビやラジオ番組の司会として幅広く活躍してきた梶原氏が、ビジネスシーンに役立つ会話のヒントをお届けします。
メソッド2017.02.28

vol.18 人間関係に、 お疲れ気味ではありませんか?

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2017年3月号

ABC理論で 物事を捉え直すと

今回は「ABC理論(論理療法)」からご紹介しましょう。米国の臨床心理学者アルバート・エリスが提唱した心理療法で、國分先生がこれを翻訳し、日本に広めました。
ABCのAとは「出来事」、Bは「考え方、すなわち出来事についての受け止め方」、Cとは「結果・あなたの気持ち」を表しています。
例えばAを「評判の商品をお勧めしたら客に『要らない!』と言われた」と設定しましょう。これは、実際の「出来事」ですね。その時のB、すなわち「出来事の受け止め方」が「もっと上手にお勧めすべきであった」「私の接客に問題があったからに違いない」だったらCはどうなるでしょうか? 「接客も満足にできない自分はセールスに向いていない」「落ち込む」という気持ちになる可能性がありませんか?
こういうABCを放置しておくと、自責の念から「鬱々気分」にならないとも限りません。
この「悪い連鎖」を断ち切るにはBの「受け止め方」について、「果たしてそう言い切れるか? そう受け止めることが適切か? そう思うに至る経過の中で『思い込み』はなかったか?」ということを、「科学者のように、事実に基づき考察・見当せよ」というのがこの論の趣旨です。
Aという出来事を、冷静、論理的、客観的に見直すと、客が「要らない」と言ったのは、あなたの接客態度のせいではなく、「別の理由でたまたま必要を感じなかった」「急に別の似たものを持っていたのに気が付いた」「最初から冷やかしだった」など、さまざまな事情が考えられることに気が付きます。そのようにA(出来事)を吟味すれば、B(受け止め方)は「たくさんいる客の中には冷やかしがいても仕方がない」と柔軟に考えることができます。そうなればC(結果・あなたの気持ち)は、どうなりますか?
「買ってもらえなかったのは残念だけど、また次のお客さんに期待するか!」と前向きになる。少なくとも「買ってもらえなかったのは自分の接客のせいだ」と自分を責めて落ち込むことはなくなりそうですね。

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