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最終回 ドイツ流の働き方から学ぶ、「働き方改革」へのヒント

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2019年2月号
 

ドイツのビジネスパーソンの休暇は長く、そして労働時間は短い。労働に割く時間が短いのに、なぜ経済がきちんと回っているのか。そこには効率的な働き方があった。これまで紹介してきたドイツ流の働き方を振り返りながら、日本のビジネスパーソンにも取り入れられそうな考え方や方法をまとめたい。

 
 
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「働き方改革」を実現するために

 
日本では2019年4月施行の「働き方改革関連法」を巡り、各企業でさまざまな議論が展開されている。働き方改革を実現させるためには「頑張る」だけではなく、具体的な行動を個人レベルで理解し、取り組む必要があるだろう。
 
ドイツ語には日本語の「頑張る」に直接相当する言葉がない。ドイツの会社ではどんなに忙しくても、1日の労働時間を10時間以内に抑えて退社しなくてはならない。また、大半のドイツ企業はバックオフィスなど間接部門も含めて、勤務評定に基づく点数制を導入している。同じ成果を上げた場合、残業時間が少ない人の方が多い人よりも評価される。日本では成果が出なくても過程を褒めるような人がいるが、ドイツではあり得ない。この国では成果が出ない場合には、そのために費やされた労働時間は無駄と見なされる。
 
これまで本連載で述べてきたように、ドイツでは効率性が非常に重視される。ドイツのビジネスパーソンの働き方のポイントを、時間の使い方、休日、体調管理、詳細な仕事術の観点からあらためて紹介したい。残業や非効率的な働き方に悩む読者や、読者の企業で働く社員の一助となればうれしい。
 
 

時間の使い方

 
ドイツのビジネスパーソンは、自分に与えられている権限の中で決められることは上司や同僚と相談せずに決定する。上司にいちいち許可を仰いでいたら、決定のためにかかる時間が不必要に長くなる。上司も、部下がその権限の中で行う決定については全幅の信頼を寄せて、任せてしまう。細かく報告を求めない。こうすれば上司も部下も互いに時間を節約できる。
 
ドイツの企業は、一度権限を与えたらその人物が権限や規則から逸脱しない限り、自由に仕事をやらせる。このように、仕事を行う上で第一に時間を意識しているのがドイツのビジネスパーソンの特徴だ。
 
他にも、早く退社できるように昼休みは30分前後にとどめたり、9時から17時の間は、タバコを吸ったりコーヒーを飲んだりする休憩や無駄話を極力減らして仕事に集中するなど、なるべく早く退社できるよう努力している。残業に悩む人は、自分の働く時間について一度振り返り、無駄を省けないか検討してみてはどうか。
 
 
 

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