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vol.2 ドイツの有給休暇消化率は100%

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2018年10月号
 

前回このコラムで、ドイツ企業では1日当たり10時間を超える労働が法律で禁止されており、大半の企業がこの規則を厳しく守っていることをお伝えした。もう一つ、日独の働き方の大きな違いは、「有給休暇」である。

 
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全社員に30日間の有給休暇

 
1963年――つまり今から半世紀以上前に施行された「連邦休暇法」によると、企業経営者は社員に毎年最低24日間の有給休暇を与えなくてはならない。
 
だが実際には、ドイツの大半の企業が社員に毎年30日間の有給休暇を認めている(有給休暇の日数が33日の企業もある)。また、残業時間を1年間に10日間まで代休によって消化することを許している企業も多い。つまり、多くの企業では約40日間の有給休暇が与えられているということになる。
 
これに加えて、祝日も多い。クリスマスや元日、東西ドイツ統一記念日のように全国共通の祝日は、9日。この他、宗教上の理由で一部の州だけに認められている祝日が5日ある。地方分権を重視するドイツでは、州政府や自治体が独自の祝日を制定する権利を認めている。私が住んでいるバイエルン州にはカトリック教徒が多いため、キリスト教に関係した祝日が多い。2017年のバイエルン州の「通常」の祝日は12日。
 
さらに土日まで入れると、ドイツのビジネスパーソンは毎年約150日も休んでいることになる。1年のうち41%は働かないのに会社が回っており、ドイツが世界第4位の経済大国としての地位を保っているのは、驚きである。
 
他の国と休日の数を比べると、ドイツが休暇大国であることが浮き彫りになる。経済協力開発機構(OECD)が2016年12月に発表した統計は、各国の法律で定められた最低有給休暇の日数、法定ではないが大半の企業が認めている有給休暇の日数と、祝日の数を比較している。ドイツの大半の企業が認めている有給休暇(30日)と祝日(12日)を足すと、42日となり世界最多。日本では法律が定める有給休暇(10日)と祝日(16日)を足すと、26日間であり、ドイツに大きく水を開けられている。
 
日本の特徴は、法律が定める有給休暇の最低日数が10日と非常に少ないことだ。これはドイツ(24日)の半分以下である。しかもドイツでは大半の企業が、法定最低日数(24日)ではなく、30日間という気前の良い日数の有給休暇を与えている。
 
日本では、継続勤務年数によって有給休暇の日数が増えていく。例えば、半年働くと10日間の有給休暇を与えられ、3年半以上働いた人の有給休暇日数は14日、勤続年数が6年半を超えると、20日間の有給休暇を取れる。
 
ドイツの大半の企業では、半年の試用期間を無事にパスすれば、最初から30日間の有給休暇が与えられる。この面でも、日本のビジネスパーソンはドイツの勤労者に比べて不利な立場に置かれている。なお米国では、最低有給休暇日数が法律で定められていない。各企業が、それぞれの事情に応じて有給休暇の日数を決めている。ドイツに比べると労働者の権利が制限された、企業経営者にとって誠に有利な「休暇小国」である。米国のビジネスパーソンは、休暇中に自分の仕事を他の人に奪われるのが怖いので、まとまった日数の休暇を取らないことで有名だが、その背景には、法律で労働者の休む権利が保障されていないという実態がある。
 
ドイツの有給休暇と祝日の合計は世界一
主要国の有給休暇と祝日の合計

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※ 資料=OECD
※ 法定最低休暇日数、もしくは法定ではないが大半の企業が認めている休暇日数と祝日を合わせた数字


 
 
 

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