TCG Review

サイト内検索

<MESSAGE>
「生産性カイカク」3つのアプローチ
「働きがい」のある会社をつくる

1 / 1ページ


2017年10月号
 
 
「働き方改革」と真摯に向き合う地域の中堅・中小企業が増えている。人手不足への強い危機感によるものもあるが、「ピンチでなくチャンス」と状況を前向きに捉え、「1人当たり付加価値と社員モチベーションの向上」へチャレンジしている企業が増えているからだ。
 
こうした一連の動きは、まさに「生産性が戦略の最重要テーマの1つ」になる時代の到来を示唆している。マクロ視点でいえば、日本の労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟35カ国中22位(2015年、日本生産性本部)と低迷しているのである。
 
私は、攻めの戦略テーマとして「生産性カイカク」モデル(あえてカタカナ表記にしている)をつくろうと提唱している。そのポイントは次の3つだ。

 
1.「突き抜ける」ビジネスモデルをつくる

 
子育て製品メーカーA社は生後18カ月までの赤ちゃんを顧客ターゲットに絞り込むことで、高付加価値を実現。生後18カ月までのニーズはどこの国でも同じであることから横展開が可能で、海外でも高いシェアを誇っている。一方、歯科医向け製品を販売するB社は、クリニック専門チームによる「クリニックサポート」を通じて、連続増収、顧客数増を実現している。
 
「絞り込み」と「専門化・サービス化」。これが、突き抜けるビジネスモデルの1つの鍵となる。
 
2.人づくり―リ・コミュニケーション
 
工事専門企業C社は、業界が下り坂といわれる中、増収増益、社員数増を実現している。その最大の理由が「動画学習」という人材育成におけるコミュニケーション革命である。動画を通じた「技」の習得で、新人が10年在籍者の半分の時間で一定の仕事ができるようになり、やりがいアップ→定着率向上→採用の応募増という善循環へとつながっている。
 
3.「働きがい」へ積極的に投資する
 
私が先日訪問したD社は、社員の休憩室を大胆に改装した。コンセプトは2つ、「格好良く」そして「職場が見えるガラス張り」。理由は、「親の仕事ぶりを家族にも見てもらえる環境をつくること」にあった。職場の「家族参観」を実施した結果、社員のモチベーションが格段に向上、業績も右肩上がりである。
 
先述したように「働き方改革は企業変革のチャンス」である。ぜひ、経営者の最重要マターとしての取り組みをお願いしたい。
 
 


タナベ経営 常務取締役/
ヘルスケアビジネス成長戦略研究会 アドバイザー

中村 敏之  Toshiyuki Nakamura
「次代の経営者育成なくして企業なし」をコンサルティングの信条とし、100年発展モデルへチャレンジする企業の戦略パートナー。豊富な現場経験に基づく「ビジョンマネジメント型コンサルティング(VM経営)」は具体的で、クライアント企業から分かりやすいと大きな信頼を得ている。関西学院大学卒。