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「 2025年問題」は国内最大の課題マーケット

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1602_massage_01南川 典大 Minamikawa Norihito
1993年タナベ経営に入社(東京本部)。西部本部長、取締役を経て2014年より現職。上場企業から中小企業まで数百社のコンサルティング・教育などに従事し、数多くの実績を誇る。経営の視点から、仕組みと人の問題解決を行う“ソリューションコンサルタント”として定評がある。信条は「知要先行」「瞬間一生」。著書に『問題解決の5S』(ダイヤモンド社)ほか。

 
 
「2025年問題」をご存じだろうか。いわゆる「団塊の世代」2200万人がこの年までに75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護需要の高まりから社会保障財政バランスの崩壊、病床不足などが懸念されている問題である。4人に1人が75歳以上、65~ 74歳を含めると3人に1人が高齢者(※)という「超高齢社会」の到来は、わずか9年後だ。官民一体で取り組まねばならない最大の社会的課題である。
※ 厚生労働省『平成27年版 高齢社会白書』
 
国の社会保障という視点ではピンチだが、これをビジネスの視点から捉えるとどうか。一転してチャンスになる。高齢者の増加に伴い、医療・介護市場規模は国内最大の100兆円に成長するとの予測がある。食品市場(約80兆円)や自動車市場(約50兆円)と比較しても、その巨大さが分かる。
 
こうした社会の構造転換は、企業の構造転換をもたらす。事実、医療・介護分野においては、新たな社会的課題を解決するための企業が多く誕生している。しかも、競合企業がいないホワイトスペース(未開拓分野)での起業のため、創業10年で上場を果たした企業も少なくない。
 
そうした中には、ITや異業種のノウハウを持ち込み急成長している企業や、規制が強い医療・介護保険対象外でビジネスモデルを組み立てている企業も多い。また、医療法人においても、民間企業のノウハウを取り入れる動きが目立つ。
 
医療・介護は、保険や税金で賄われているという公的な側面もあるため、非営利であることが義務付けられていると捉えがちである。だが、これは「配当をしてはいけない」ということであり、“利潤を追求してはいけない”というわけではない。
 
医療でいえば、医業収益(売上高)は価値を提供して患者に満足・支持された奉仕高であり、医業利益(利益)は患者のために行う次なる投資の未来経費となる。よい医療は、よい経営から。そのためにも、患者(顧客)・職員・社員・社会など、ステークホルダー(利害関係者)に対する使命の明確化と経営の効率化が不可欠である。
 
「医療・介護」×「衣・食・住」、「医療・介護」×「製造・卸小売・サービス」、「医療・介護」×「ヒト・IT・情報」――。こうした組み合わせの妙により、自社の経営ノウハウを医療・介護市場に転用できるホワイトスペースは必ず存在する。間もなく訪れる2025年問題に対し、自社ができることから取り組もう。その先に、自社の成長もある。