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「SANWAアカデミー」で人づくりを支援
-ひと本位主義に基づいた育成環境を創出-
三和建設

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2017年11月号
 
多彩な講座を展開教える側の育成にも直結
 
アカデミー設立に向けて、三和建設ではまず、求める人財像を明らかにした(【図表】)。同社の社員に求められる能力は、縦軸の「専門技術力」(自分1 人でも発揮できる力)と横軸の「統合力」(プロデュース力やマネジメント力を発揮して社内外の人財や情報を組み合わせて成果を上げる力)に分かれる。飛行機が離陸してから巡航に移るように、離陸した入社当初は専門技術力を優先的に磨いて高度を上げる。そして30歳を過ぎた頃から統合力を伸ばすことに注力し、経営的な感覚も身に付けながら、より遠くを目指す――。これが三和建設の社員に求められる成長曲線のイメージである。
 
次に行ったのは、講座内容の検討だ。「当面は専門技術力を伸ばすための講座を優先させる」という基本方針を定め、営業・設計・工務・工事・人事総務といった各職域の担当役員が責任者となって講座内容を検討。社長と担当役員による定例会議で全体のバランスを討議して講座内容を固めていった。
 
そして、営業担当には「設計マネジメント講座」や「提案力強化研修(ロールプレーイング)」、設計担当には「各種申請講座」や「実地設計研修(体験型)」、工事担当には「原価管理講座」や「施工図研修(体験型)」といった多様な講座を設けた。

 
講座のテーマが決まると、担当役員はそれを教えるのに最適な社員を探して「こういうテーマで授業をやってほしい」と声を掛け、おおむね30歳以上の中堅・ベテラン社員の中から講師を選出。講師は自分なりに工夫を凝らして、テーマに即した講座の内容を作成し、受講生の前に立つ。講義の様子はビデオで録画し、記録する。

 
社員を講師に抜擢する効果について、森本氏は「OJTとは違い、みんなに見られるので、自分の知識や経験が本当に合っているのかを確認する機会になります。改めて調べることで“自己流”のやり方を軌道修正したり、これまでの経験や知識を整理する機会にもなっています。伝えるための工夫など、講義をする経験そのものも、成長の機会につながります」と、講師内製型のメリットを語る。
 
ところで、同社では講座内容を考える役員、講師を務める社員、アカデミー運営を任された運営事務局のメンバーの全員が、メインワークをこなしながらの兼任作業だ。不満や遅滞などは発生しなかったのだろうか。

 
その点について、「アカデミーの構想が“つくるひとをつくる®”という経営理念に合致していたので、取り組みの趣旨は全員理解してくれており、多忙な業務を調整しながら対応してくれました」と森本氏は振り返る。一方、8月からは管理部門を統括するアシスト本部に『ひとづくりグループ』を立ち上げ、人財の育成と採用の充実を図っている。制約されずに講義が受けられるeラーニング環境を整備し、人事制度との連動も図りたい。若手社員のコマ数も、より充実させていきたいです」と森本氏は語る。
 
 
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