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各社がものづくりに専念できるホールディング経営
由紀ホールディングス

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2021年7月号

 

 

【図表2】由紀ホールディングスの機能をプラットフォームとして各社が活用(YUKI MethodTM)

出所:由紀ホールディングス提供資料よりタナベ経営が作成

 

 

グループ会社を支える仕組み「YUKI Method」

 

由紀HDの設立は2017年だが、大坪氏はその10年以上も前から「ものづくり企業のホールディング経営化」の構想を温めていたという。

 

大坪氏が由紀精密に入社した2006年当時、同社は経営危機に陥っていた。その立て直しを図るために、大坪氏は在籍していたエンジニアリングサービスのインクス(現SOLISE、東京都千代田区)を退職し、由紀精密に入社した。

 

入社後は新たに開発部門を立ち上げ、同社に蓄積されていた高い技術力を生かして航空・宇宙部門、医療部門を新規開拓。少しずつ収益を改善した。そして由紀精密の経営が軌道に乗った2017年、温めていた構想の実現に乗り出したのだ。

 

「前職のインクスは、高速金型事業でものづくりに変革を起こしたベンチャー企業です。在籍時には野村證券のグループ会社と連携し、『雷鳥ファンド』と呼ばれる金型革新ファンドを運営していました。ファンドと言ってもキャピタルゲインを重視するのではなく、優れた技術を持つ金型企業に出資し、技能の伝承や経営改善を図る活動を行っていました。出資することで事業を再生していく考え方に共感していたので、ホールディング経営では同じことを目指しました」(大坪氏)

 

この初志を貫くために構築したのが、「YUKI Method」である。資本や人材に限りがある中小企業で、管理部門を抱えながら製品づくりを行うのは難しい。そこで、【図表2】のように、資金調達、事業戦略、人財採用・HR、企画広報・デザイン、製品開発、製造技術開発、システム・IT・IoT、営業戦略・海外展開の各部門を由紀HDが担当し、グループ各社を下支えしている。

 

「グループ会社によって組織体系や状況も異なるため、一律ではなく各社の状況に合わせた支援が必要です。現在は実証実験ベースでYUKI Methodを構築しています」(大坪氏)

 

 

 

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