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健康経営®で労働生産性44%向上
勤次郎

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2021年6月号

 

 

自分の体重や血圧、歩数などを管理できる健康アプリは「健康ポイント」と連動させ、社員一人一人に合った運動や食生活の改善を促す

 

 

トップが率先垂範して取り組みを推進

 

健康アプリを活用した健康投資が実を結んでいる勤次郎。データとツールを宝の持ち腐れにせず、社員の前向きな「健康アクション」が生まれる理由はトップダウンによる推進だ。

 

「率先して健康宣言をした私が、健康増進の最高責任者を務めています。登山やテニスなど、社内のクラブ活動を活性化する旗を先頭に立って振り、健康増進の取り組みを推進しています」(加村氏)

 

運営体制として加村氏と役員、産業医と保健師、社員代表2名で構成する「衛生委員会」を組織。管理部が事務局となって、少人数で工数をかけずに施策立案・運営し、コロナ禍による経営環境の変化へも柔軟に対応してきた。根底にあるのは「特別な何か」をするのではなく、「今ある日常」をより良く変えていく視点だ。

 

社員は毎年、健康診断やメンタルヘルスチェックなどの自己データを基に「BMIの数値をランニングで下げる」「家飲みの頻度を減らす」など、一人一人が自分に合う健康目標を決める。押し付けでは実効性のあるアクションが続かないからである。希望者にはウエアラブル端末を貸与したり、改善成果を数値化して表彰する「健康ポイント」制度を導入したりして、健康増進に取り組むきっかけづくりに注力してきた。

 

「健康や生活習慣の改善は、自律の努力なくしては難しいもの。その努力を見える化し、サポートすることが重要です」。そう語る加村氏はウエアラブル端末で日々、「1日1万歩」の達成を目標に掲げる。

 

また、創業時から続くクラブ活動費の補助に加えて、新たに半年間で5000円(1人当たり)のコミュニケーション活動費を支給。職場の活性化が目的で、できれば健康増進につながる内容が好ましいが、自由度は高い。例えば、食事会なら「4駅分歩いて目的地へ向かう」とし、社員は健康へのひと工夫を凝らす。

 

プライベートはクラブ活動、仕事は職場内のコミュニケーション活動が両輪となって、社員が互いを健康増進へ誘導し、「みんなでつくる健康」につながっている。コロナ禍で両輪とも活動は停滞を余儀なくされたが、社員の提案で免疫力を高めるドリンクが配布されるなど、ヘルスリテラシーの向上に停滞はない。

 

衛生委員会のメンバーで健康指導を担う産業医や保健師も、変化を感じている。例えば、健康データが良好で再検査の必要がない若い世代から、気になる数値の相談があるといった変化だ。数値が悪くなる前に生活を改善しようと、社員の健康に対する意識が高まっていると言えよう。

 

また、自社開発のシステム「ケリーオンラインサービス」によって、社員は臨床医・産業医・保健師と遠隔で面談ができる。社員の誰もが気軽に、しかも就業時間内に利用でき、最近では不健康予備軍へ利用が拡大している。

 

システム化によってデータ集計などの業務負荷が増えず、施策の立案や結果分析に専念できるメリットは大きい。管理本部では社員発の業務改善プロジェクトにより、残業を減らす活動が始まっている。

 

 

 

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