TCG Review

サイト内検索

「他楽」の理念を実現するおいしい健康食
竹屋旅館

2 / 3ページ


2021年6月号

 

 

ホテルクエスト清水の料理長である青木一敏氏が行うオンライン調理講義の様子

 

 

医食の専門家メディシェフ資格を制度化

 

「場所と食の組み合わせで、地域が観光資源に変わります。ゆっくりと過ごす、健康食を味わう、地域観光を楽しむ。これからのホテルは、泊まること自体が目的になっていくでしょう」(竹内氏)

 

駿河湾レシピは2016年「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト」(経済産業省)で優秀賞に輝いた。受賞に際し、審査員から「健康食を広める仕組みづくりに向け、大きな志を持て」と激励の言葉があった。

 

「『ノウハウを囲い込まず、他のホテルや飲食店、家庭にもオープンに』と。しかしそれは、やっと手にした差別化できる強みを手放すことになります。社長に就任した直後で悩みましたし、今も正しかったのかは分かりません。ただこの時も、他楽にかなうか、従業員が胸を張って誇りに思えるかを考え、決断しました」(竹内氏)

 

新たな挑戦へ、ノウハウとレシピを提供し始めたが、思うように広がらない。原因を探るうちに、竹内氏はふと気付いた。

 

「レシピより人づくりが重要だと。かつての自分やシェフに意識改革が必要だったのと同じです。医と食の知識やエビデンスを併せ持つ料理人『メディシェフ』を育てようと、日本医食促進協会を設立しました」(竹内氏)

 

医師や管理栄養士、調理師などの専門職が協働し、エビデンス研究やマーケティング分野の大学教授も参画。2018年に医食の新しい専門家を育成する資格認定制度「メディシェフ」をキックオフした。この取り組みは、経産省「健康寿命延伸産業創出推進事業」に採択された。

 

資格取得者のターゲティングは、駿河湾レシピをロールモデルに、患者がいる家族の家庭料理向けからアプローチし、徐々に飲食店の料理人、医療機関の管理栄養士や看護師など、働く現場に資格を生かして活躍する人へと裾野を拡大。1年目に「ジュニア」、2年目に「メディシェフ」の2コースを開講し、これまでに約2000名の有資格者が誕生した。

 

「どれだけ活躍シーンにつながるか。資格事業の成功は、取得後の姿が大事です」と竹内氏。さらに、大学や専門学校、調理師学校など教育機関との連携も有望だ。埼玉にある人間総合科学大学では、メディシェフ認定校として資格取得コースが誕生し、未来の健康食の担い手が巣立っている。同学では、2020年秋から新たに、大人向けのリカレント教育として双方向型オンライン講座をスタート。健康経営や健康食開発を支援する「メディシェフfor Business」事業も注目を集めている。

 

 

メディシェフ認定商品である高タンパク・糖類ゼロのマグロ肉をハム状に加工した食品「ツナ革命」(上)と、塩分の摂り過ぎをケアして健康的なダイエットをサポートするサプリメント「むくまんもん」

 

 

 

1 2 3