TCG Review

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地域の“健幸”交流コミュニティーを全国へ
アグリマス

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2021年6月号

 

 

丹波山村の「丹波山TV」。OEMで各地域に合わせたコンテンツを制作しており、「健幸タブレット」でいつでも閲覧可能

 

 

関東一小さな村と健康交流事業を締結

 

アグリマスは、新たに徳島大学やUHA味覚糖(大阪市中央区)と連携し、歯周病菌と認知機能の効果検証実験に着手。測定データの分析結果を早期集中対策につなげ、認知症測定アプリの開発を目指す。また、タブレット端末を活用した双方向のオンラインコミュニケーションで、介護・服薬指導、見守りや健康相談がより身近になり、精度や効率も向上する「健幸タブレット」サービスの提供を開始した。

 

さらに2020年10月、関東8都県で最も小さい村であり過疎化が進む山梨・丹波山村と健幸交流事業契約を締結し、地域創生の支援にも動き出した。

 

「健幸TVを利用いただき、健幸タブレットを配布してユーザーのICTリテラシーを向上しながら、私たちも現地で楽しくワーケーションする。共に健康になる共創・共生の交流事業です」(小瀧氏)

 

アグリマスが「地域活性化起業人」となって、EBPMに基づく健康づくりや村内産業の活性化、起業・税収増などの多面的なKPI(重要業績評価指標)を丹波山村と二人三脚で共創し、実現に向けて歩みを進めている。

 

「重要なのは一方的に押し付けないこと。暮らす場所も世代も違う人同士が教え合い、生かし合うことが楽しいと思えるように意識しています。少しずつ距離を縮めて価値観を共有できなければ、誰も付いてきてくれません」(小瀧氏)

 

双方向で、相互を高め合う関係性が「信頼のエビデンス」になる。他の自治体からも相談が相次ぐ背景には、国の補助金に頼れない時代が到来する前に、自立可能な自治体経営が求められていることがある。その厳しい現実を、ある自治体担当者の呟きから実感したと小瀧氏は言う。

 

「地域に介護福祉の基盤があっても、年齢分布を見れば、近い将来に働く人材がいなくなることは明白です。そうならないために、健康維持や介護・認知症予防など、地域創生のあらゆる課題解決のパートナーとして、自治体に寄り添っていきます。

 

健幸TVの文字が『康』ではなく『幸』なのは、ユーザーに最期の時を迎えるまで元気でより良く生きてほしいから。ウェルビーイングのお手伝いをするのが、私たちアグリマスだと思っています」(小瀧氏)

 

 

アグリマス 代表取締役 小瀧 歩氏

 

 

Column

地域からインクルージョンを実現

M&Aや事業再生、ベンチャー新興市場の立ち上げなど、金融のプロとして活躍した小瀧氏。40歳代を迎え、地域で暮らす農家の人や健康な食と触れ合い、東京マルシェ池上を始めたことが、ウェルビーイングへの気付きを生んだ。

 

地域と共に新たな価値をビジネスで創り出す。その思いを込めたアグリマスのミッションが、「地域の健康コンシェルジュ」である。健幸TVやWellnでつながるパートナーは、「先進的な挑戦なくして持続なし」という共通の価値観を持つ。他人事にしない「我が事」感覚の使命感は、アグリマスも抱き続けたものだ。

 

「本気で変わろうと思っても、実際に行動するのは10人に1人。できない理由を考えるよりも、まずはやってみる。ただ待つだけの姿勢に未来はありません」(小瀧氏)

 

誰一人置き去りにせず、全ての人の利益になる――。同社は、SDGsに通ずる思考で地域からインクルージョンを実現していく。

 

 

PROFILE

  • アグリマス(株)
  • 所在地:東京都大田区西蒲田2-5-1 クレードル池上
  • 設立:2005年
  • 代表者:代表取締役 小瀧 歩
  • 従業員数:21名(2021年4月現在)
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