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「介護保険+保険外サービス」統合モデルの実現へ
エムダブルエス日高

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2021年6月号

 

 

福祉Mover
北嶋氏が設立した(一社)ソーシャルアクション機構が旅行業の資格を取得し、連携して事業化が進む「福祉Mover」。AI自動配車システム「SAVS」との連携でスピーディーなサービス提供を実現した

 

 

デイサービス配車+送迎ナビを「第三の交通網」に

 

コロナ禍の逆風で、2020年5月はデイトレセンターなどの利用者が半減した。その後も厳しい状況が続く中、同社はZoomを使ったリモートの「ハイブリッドデイサービス」を開発。利用者が自宅で測定した血圧を介護士がチェックし、運動療法士がライブ動画でトレーニング指導を行うという、ウィズコロナ時代に提供可能なサービスをつくり上げた。

 

新たな保険外事業も2021年3月からキックオフした。送迎ナビシステム「福祉Mover(ムーバー)」である。デイサービス送迎車を、多目的な乗り合い利用に発展させる交通弱者の移動支援サービスだ。

 

「送迎効率の悪い、複雑な送迎ルート設定は残業の温床でした。しかし、福祉Moverなら利用実態に応じて効率的な最適ルートを選定し、空いたシートを地域の足としても活用できる。これは融合できるぞ、と」(北嶋氏)

 

自社開発したスマートフォンアプリ「福祉Mover」を、はこだて未来大学(北海道函館市)などが共同開発したAIプラットフォームの自動配車システム「SAVS(Smart Access Vehicle Service)」と連携。いつ、どこからどこまで、何人乗りたいか、利用情報を送信すればすぐに相乗りできる。

 

このシステムは2020年10月から2021年2月まで経済産業省の実証実験事業(地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金事業)に採択され、コロナ禍でも利用は2141回を数えた。2021年3月から自社事業「お出かけサービス」として、高崎市と前橋市の一部エリアにおいて無料で始動。エムダブルエス日高のデイサービスへ変更を希望する利用者が増えたほか、新型コロナワクチンの集団接種の移動手段として、自治体で利用の検討も進んでいる。

 

高齢化が進み、バスなどの移動手段も脆弱な地域で、交通弱者が利用しやすい外出プラットフォームとなる「第三の交通網」が、日本の介護予防を変えていこうとしている。

 

「高齢者の移動手段の確保は日本中の課題です。地域に必要とされ、高齢者の外出ニーズに応えるサービスだと、実証実験で確信しました。全国にあるデイサービスの送迎車が地域の交通インフラの1つになり、ビジネスとして成立する可能性も高い。

 

外出すると、自然と運動量が確保できる。外出支援=健康づくりですし、また、高齢者からは慣れ親しんだ商店街に行きたいとの声も多く、いわゆる『シャッター通り』の活性化にも貢献できます。外出支援の移動づくりは、健康づくりと街づくりにつながる。その役割を介護業界全体が担いながら、保険外事業を経営の柱に育てていきたいですね。

 

当社も保険外事業の売上高構成比はまだ高くありません。経営の柱に成長できるか、本当の挑戦はこれからです」(北嶋氏)

 

 

エムダブルエス日高 代表取締役
北嶋 史誉氏

 

 

PROFILE

  • (株)エムダブルエス日高
  • 所在地:群馬県高崎市日高町349
  • 設立:1977年
  • 代表者:代表取締役 北嶋 史誉
  • 売上高:34億1000万円(2020年12月期)
  • 従業員数:857名(パート含む、2021年2月現在)
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