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「介護保険+保険外サービス」統合モデルの実現へ
エムダブルエス日高

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2021年6月号

 

 

 

 

デイサービスを利用してリハビリに励む要介護・要支援の高齢者。だが、元気な体を取り戻して介護保険から卒業しても、行き場を失ってしまうことが多い。エムダブルエス日高は、そんな現実がある福祉ビジネスの常識を打ち破り、介護予防メニューや送迎サービスなど多彩な保険外サービスを創出している。

 

 

健康なときから利用したくなるサービスを

 

マシンで汗を流し、バランスボールに腰掛けながらトレーナーと談笑する——。フィットネスジムでは見慣れた光景だが、利用者をシニア世代に特化しているのは珍しい。

 

カフェやパソコン、料理教室、シミュレーションゴルフも楽しめる通所介護事業所「日高デイトレセンター」。1日の利用可能人数が約400人という群馬県最大規模の施設が目指すのは、「元気になって、いつも利用したくなる次世代型デイサービス」だ。

 

「全員が同じリハビリメニューを行う従来型のデイサービスでは淘汰される。そう思って、団塊の世代の方々をターゲットに、多様なサービスを提供して自己選択型で自立を支援する、新たなマーケットを開こうと考えました」と、エムダブルエス日高の代表取締役、北嶋史誉氏は話す。要介護・要支援の高齢者だけでなく、元気なアクティブシニアも健康を維持し、地域コミュニティーに参加して楽しめる。そんな空間を、介護保険と保険外サービスを統合して実現する新モデルへの挑戦である。

 

エムダブルエス日高は、群馬県内で病院・クリニックを運営する医療法人日高会のグループ企業。退院した患者や介護支援が必要な高齢者の介護・福祉事業を担ってきた。介護保険外事業のフィールドを切り開く多角化展開は、地域の高齢者ニーズが出発点だ。地元のスーパーマーケットであるフレッセイ(群馬県前橋市)とコラボレーションした、介護事業所を定期巡回して宅配も行う移動販売車「フレッシー便」もその1つである。

 

「スーパーは買い物弱者の支援、私たちは買い物リハビリの提供、高齢者にとっては助かるサービス。『三方よし』の仕組みです」(北嶋氏)

 

フレッシー便の車内にPOSレジを導入し、売れ筋データを分析すると、面白い発見があった。「一番人気は重たい米袋の宅配」との仮説が、見事に覆されたのだ。「電子レンジで温める、個食パックのご飯が実際には最も売れます。大量にご飯を炊かない高齢者にとっては確かに手軽ですし、味もおいしい。こうした発見を重ね、マーケティングしながらサービスをつくっています」と笑顔で語る北嶋氏。POSデータは、デイサービスでは管理栄養士が料理指導に活用し、スーパーでは店舗内のシニア人気商品コーナーづくりに役立っている。

 

 

太田デイトレセンター
群馬県太田市にある延床面積4056㎡という大空間のデイサービス。室内に100mの歩行レーン(右の写真、赤色の部分)があり、天候に左右されることなく歩行訓練を行える。スポーツを楽しむように取り組めるリハビリメニューのほか、料理や陶芸、くもん学習療法、手芸などのリハビリ教室も開催

 

 

移動販売車「フレッシー便」
地元スーパーと共同運営する移動販売車「フレッシー便」。1号車は高崎、2号車は前橋、3号車は太田方面を毎日走っている

 

 

 

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