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卓越した「育てる仕組み」
ワット・コンサルティング

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2021年2月号

 

 

人手不足に悩む建設業界に、自社で教育した人材を派遣するワット・コンサルティング。派遣される社員、取引先、自社が幸せになれる「三方良し」のビジネスで、建設業界の課題を解決する。

 

 

建築・土木学科以外の学生を採用し教育して派遣

 

技術者の高齢化や人手不足に悩まされてきた建設業界の課題解決の一翼を担うのが、ゼネコンなどに人材を派遣する人材派遣サービス業である。2003年に機電系、翌年には建設系の技術者の派遣サービスを開始したワット・コンサルティングは、中堅の派遣会社として貢献してきた1社だ。現在は製造系アウトソーシングの大手であるウイルテックグループの建設系技術者派遣会社として、スーパーゼネコンをはじめ中堅ゼネコンや設備サブコンなど200社近くの企業に、約600名の人材を派遣する。

 

同社のサービスは、新卒および第二新卒などの未経験の新入社員に教育を行い、ゼネコンなどに派遣社員として送り出す派遣事業を中心に、自社に登録した人材をゼネコンなどに紹介する人材紹介業も展開している。

 

「スーパーゼネコン5社(竹中工務店、清水建設、大林組、大成建設、鹿島建設)は別として、どの建設会社も建築学科や土木学科の大学生を採用するのが厳しい状況です。当社では、関連学科の人材を顧客である建設会社と奪い合うのではなく、それ以外の理系や文系に所属する学生を採用しています。そのため、建設の知識がない新入社員に知識を身に付けてもらった上で、現場に派遣するという仕組みを構築しています」

 

そう採用方針を語るのは、ワット・コンサルティングの代表取締役社長である水谷辰雄氏だ。採用活動では関連学科以外の学生を対象にするため、建設業界の魅力を伝えることが重要になる。そこで同社では、建設業界の将来性、資格取得による職業としての安定性などを学生に伝えることで興味を持ってもらうという。

 

「微力ながらも、他の業界に進むであろう人材を建設業界に流入させる役割も果たしていると自負しています」(水谷氏)

 

また、建設業界の知識がない学生を採用し、現場で働いてもらうには、各現場の専門知識を身に付ける必要がある。教育・研修体制が整っていなければ、ゼネコンなどのニーズに合った人材を供給できない。そのため同社は、10年以上も前から人材育成に力を注いできた。きっかけになったのは、2008年のリーマン・ショックだったと水谷氏は続ける。

 

「リーマン・ショックで仕事がなくなり、約35%の社員が派遣先から戻ってきました。その時の会社経営は苦しかったのですが、雇用調整助成金を活用し、人件費の一部を賄いながらしのぎました。それと同時に、仕事がなく待機している社員が空いている時間に技術や知識を身に付けられるよう、研修に力を注ぎました。その後も研修プログラムを続けたことで、現在の研修センターのベースとなる教育体制を整えることができたのです」

 

 

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