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vol.5 男性用高級アンダーウエア市場の創造を目指すTOOT

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2019年3月号
 

これまで欧州市場へ進出するための方法や、そのためのポイントなどを紹介してきた本連載。今回は具体的事例の一つとして、これから本格的に欧州市場へ乗り込もうとしている企業を紹介したい。

 


 

高級ファッションブランドとしての位置を築く

 
TOOTというメンズのファッションメーカーがある。東京に本社があり、宮崎に工場がある。同社の主力商品は3000円台から2万円を超える価格帯で、立体的なデザインや豊富な柄のアンダーウエア。男性用高級下着という新しい市場を2000年より作ってきた。
 
かつて日本のデパートの紳士下着売り場にあるパンツは、種類が豊富ではなかった。同社は繊細な縫製で肌に優しい製品を携え、百貨店などの売り場風景を変えるに先導的な役割を果たしてきた。日本での同社製品の愛好者はエグゼクティブが多く、ビジネスシーンで外に見えないオシャレとして楽しんでいるようだ。
 
アジア市場へはおしゃれに対する感度が高い人たちに口コミで広まり、ファンを増やしてきた。特に狙って開発された製品ではないが、ファンの中にはゲイ(男性の同性愛者)も少なくないそうだ。オシャレな下着を楽しみたいと思う人が多い傾向にあるという。そうしたファン層も加勢し、台湾・タイ・シンガポールには同社製品の販売ネットワークができている。
 
同社の製品はオンラインで、アジアに限らず世界中からオーダーが入っているが、それだけでは彼らが目標とする規模のビジネスにはならない。さらなる拡充が経営上の必須課題になりつつある。そこで欧州市場への進出へ向け動き出した。高級ファッションブランドとしての位置を築くには、欧州市場で評価を受けるのが王道だからである。
 
これが彼らが2017年からイタリアのフィレンツェで年2回開催される紳士服展示会「ピッティ・ウオモ」に出展し、2019年1月よりミラノコレクションで新作を発表した背景だ。
 
 
 

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