TCG Review

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vol.3 好きな国の好きな人を見つける重要性

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2019年1月号
 

見本市や展示会など、支援を受けながらビジネスチャンスを得られる方法がある中、「海外進出のためには、自分が好きな場所と相手を見つけ、時間とコストを惜しまないことだ」と前回(2018年12月号)にお伝えした。遠回りとも思えるこの方法がなぜ重要かを解説したい。

 


 

海外進出のための正しい順序

 
経営者がポケットマネーで旅行をして、好きな国と好きな人を見いだしていくのが、中小企業が海外ビジネスを考えるに当たっての第一の道である。商売を始めれば嫌なことがたくさんあるのだから、「この人とならトラブルがあっても乗り越えていこう」という気になれるのが、海外進出先を判断する際に大切だ――。
 
以前、このような自分の考えを公的機関の人に話したことがある。すると、「基本的な考え方としては良いと思うのですが、海外展示会への参加補助金を自分の観光旅行の補填と見なすような方もいて、公にお勧めするにはなかなか難しいです」と言われた。
 
確かに公の機関の人が公には言いづらいだろう。ならば、なおさら私のような立場の人間が力説するしかないのだろうか、と思ったのを覚えている。
 
自腹での観光旅行が最初にあり、その次に社費を使った実際のビジネスの検討があり、その先で補助金というオプションがあるのが妥当だろう。
 
だが、上述した公的機関の人が参考に挙げた例のように、経営者の補助金への考え方の間違いだけでなく、海外市場に対する「基礎理解の前提」にずれがあるのかもしれない。
 
 

インバウンドの増加がもたらした機会

 
日本でインバウンド需要が話題になって数年がたつ。2013年まで一度たりとも1000万人の壁を越えられなかったが、2014年以降、急激な伸びを示している。2017年は2900万人に迫る勢いだった。
 
このように環境が大きく変化する中で、少なくない日本の人たちが、外国人の趣向・嗜好を知る良い機会であると認識している。今まで外国人とあまり接してこなかったような飲食業の人たちからは、「欧州人はこういう味を好むけど、中国の人にはだめだね」というようなセリフが自然と出るようになった。
 
「だから、この料理を欧州で紹介すれば商売としてやっていけると思うのだけど、どうですか?」と私も聞かれることが増えた。商売目的というかしこまった話ではなく、なじみの店でのカウンター越しの会話だ。日本の人たちの外国人経験の質が上がったとするならば、ある限定された範囲で、お金を払ってもらうシーンの経験が増えたことによるものだろう。インバウンドの増加により、事情は変化してきた。
 
こういう人たちが、「でも日本に来る人たちはその国のごく一部だろうから、その国の人のことを知るためには生活を実際に見ないと分からないよね」とも語る。とても良い方向だと思う。
 
 
 

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