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特別対談 “未来の教育”を考える
AMS合同会社 代表/元ミネルバ大学 日本連絡事務所 代表 山本 秀樹 氏 × タナベ経営 細江 一樹

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2020年4月号

 

 

 

 

2014年に米サンフランシスコで設立されたミネルバ大学は、企業が求める職業スキルを自在に使える人材を育成し、世界中から2万人を超える受験生が集まる「21世紀最初のエリート大学」だ。同大学の日本連絡事務所代表を務めた山本秀樹氏に、教育最前線の動向を伺った。

 

 

ミネルバ大学の日本事務所を担ったAMS

 

細江 AMSは2015年から2017年まで、ミネルバ大学の日本事務所を兼ねていました。ある雑誌でミネルバ大学を知り、その斬新な取り組みに関心を持ち、問い合わせたのがきっかけだそうですね。まずは山本代表のご経歴からお聞かせください。

 

山本 私は慶應義塾大学を卒業して東レに入社しました。化学繊維の新規用途開拓を担当し、幅広い業界と新製品の共同開発プロジェクトを経験した後に、英国ケンブリッジ大学のビジネススクールに留学してMBA(経営管理学修士)を取得。その後、外資系の経営コンサルタント会社を経て、住友スリーエム(現スリーエムジャパン)に入社し、研磨剤製品事業部マーケティング部長を務めて次世代リーダーの育成に注力してきました。

 

細江 退職後、2014年にAMSを設立し、代表に就任されました。AMSを設立した理由と事業概要をお聞かせください。

 

山本 東レやスリーエムに勤務する中で、長期プランに基づいた開発・製品戦略が立てにくくなったと感じるようになりました。短期的な業績が次第に重視され、中期経営計画よりも四半期や来月、来週の売り上げを気にする傾向が強まってきたからです。

 

そこで、大企業で「明後日のメシのタネ」をつくる仕事に従事した経験を生かし、20年、30年先、さらに50年先のメガトレンドをしっかりとリサーチする会社を立ち上げることにしました。その結果に基づいた事業戦略や人材育成の企画立案までを手掛けたいと考えています。

 

また、当社の設立当初、英国の研究開発を受託するベンチャー企業から日本オフィスを開設したいとの要望が寄せられたこともあって、海外研究開発委託事業者の日本連絡事務所開設支援を行っています。

 

細江 人材育成との関わりはどのように持ったのですか。

 

山本 住友スリーエムに勤務していた折、スポーツウエアメーカーのデサントをV字回復させた元代表取締役社長の田尻邦夫氏が立ち上げたNPO法人「新社会人養成塾Booster」で、若手社員にキャリアの積み方を教えたことが人材育成との最初の接点です。授業を通して「自分の向かうべき方向を見つけ、足りないものを勝ち取りながら進んでいけば、周囲の評価なんかに影響されずに生きていける」と伝えました。

 

 

 

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