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【特集】

ステージアップサイクル

若手経営者や新興企業は、さまざまな「成長の壁」とぶち当たる。難壁を突破する上で必要なことは何か。ミッション・ビジョン、ブランディング、メンタルモチベーションなどの機能に着目し、ビジネスを成長へと導く「ステージアップサイクル」を考える。
メソッド2019.10.31

中小企業がステージアップを実現するために必要な5つのテーマ:浜西 健太

 

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中小企業庁「2019年版 中小企業白書」によると、中小企業の業況はリーマン・ショック以降、収益・投資・資金ともに緩やかな回復基調にある。経済の好循環が中小企業にも浸透しつつあると言えよう。
このような環境下において、中小企業が現在のステージから一段階ステージアップし、売上高10億円の壁を越えて持続的に成長していくためには、本稿で紹介する五つの経営テーマを自社へ落とし込むことが重要である。それぞれについて、順にポイントを解説していく。

 

1 顧客と社員を惹きつけるミッション

ミッションとは、これからの時代を踏まえた自社の「使命」のことである。少々オーバーな表現かもしれないが、「自社は何に命を使っていくのか」を表現したものだ。

 

ミッションは、右に示す「社会性」「顧客価値」「追求心」の三つの切り口から明文化することが大切である。

 

例えば、製造業A社は、自社のミッションを「意匠の鮮明性を向上させるアーティスト集団」と定義している。こう定義したことが、洗練された製品を作り上げるという結果を生み出し、主体的に行動する社員を育む善循環づくりにも寄与している。

 

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2 スモールビジネスブランディング

 

ブランディングは、何も大企業だけの経営テーマではない。中小企業においても十分に深める価値のあるテーマである。商品や技術、サービス以外のもの―― 例えば、人材や企業風土・文化、環境さえも、ブランドとして訴求できる。生かせるものはいくらでもある。

 

中小企業がブランディングをする際、特に大切にすべきポイントは左に示した五つである。また、マインドとしては、特に「たった1人のあなたに届ける」という行為にどれだけこだわれるかが、とても重要だ。その行為の徹底が、結果として多くの顧客を生み出す。

 

ブランドは、顧客のイメージにたがわぬものを提供し続けることによって生まれる。その意味で、ブランドとは顧客との長期的な「約束」である。この「約束」を守り、発信し続けることが、自社のブランド価値をさらに高めていく。

 

 

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3 マインドWebマーケティング

 

大企業と中小企業のソフトウエア投資比率の差は、残念ながら開く一方である。だが、小回りの利く中小企業がウェブを活用するのは、実は非常に効果的だ。カスタマー・マーケティング(顧客向けマーケティング)とリクルート・マーケティング(採用マーケティング)のうち、今回はカスタマー・マーケティングについて、特に重要なポイントを六つ紹介する。

 

これらを現場に落とし込むプロセスの中で、顧客(潜在・顕在)に対して伝えたい思いを徹底して掘り下げ、マーケティング活動を行うことが大切である。

 

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Profile
浜西 健太Kenta Hamanishi
タナベ経営 経営コンサルティング本部 チーフコンサルタント。「幸せな会社づくり」をポリシーとし、組織・人事に関するプロフェッショナルとして多くのコンサルティングを展開。特に経営者(エグゼクティブ)向けのコーチングが高い評価を得ている。アントレプレナー&スタートアップ研究会リーダー、人事研究会サブリーダーとしても活躍中。
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