TCG Review

サイト内検索

Web・デジタルは高収益・生産性向上の切り札
川谷 昇平

1 / 3ページ


2018年2月号

コンサルティング戦略本部
Web・デジタルビジネス研究会 リーダー

川谷 昇平 Shohei Kawatani
早稲田大学理工学部卒業。組織戦略を中心に、組織構造改革・システム改革・人事制度改革を主なテーマとして展開。特に、Web・デジタルビジネス研究会のリーダーとして、Web・デジタルによる新規事業開発、マーケティング、業務改革をテーマとしたコンサルティング活動で活躍中。

 

Web担当者任せにしていないか

 
アベノミクスや東京オリンピック・パラリンピック開催など、日本経済の基調は明るい。だが、実際の中堅・中小企業を取り巻く環境は厳しい。従来の顧客や商品・サービスに固執して収益が上がらない、また労働法規の規制強化による生産性向上など、課題は山積みである。(【図表1】)

 
このような経営環境において、Web・デジタルの活用は有効である。Web・デジタルの活用方法は主に攻めと守りに分けられるが、それぞれを有効に活用することで自社のビジネスモデルを変え、収益を改革することが可能となる。

 
「攻めのデジタル」の目的は顧客を創造すること(顧客接点)である。有効な理由としては、「卸売業者がWebにより利益率の高い直販チャネルを構築することができる」「卸売業者がWebによりプッシュ型からプル型の新規開拓体制を構築することができる」「製造業者がWebにより営業担当者ゼロで売り上げ目標を達成することができる」などが挙げられる。
 
一方、「守りのデジタル」の目的は付加価値を高め、生産性を向上させること(バリューチェーン)。有効な理由としては、「サービス業者がCRM(顧客関係管理)により高付加価値サービスを提供することができる」「製造業者がSCM(サプライチェーン・マネジメント)により少人数で多品種小ロットの供給体制を構築することができる」「卸売業者がSCMによりコストパフォーマンスの高い商品を提供できる」などが挙げられる。

 
しかしながら、Web・デジタルの活用がうまくいっているという中堅・中小企業は多くない。その真因は、「Web・デジタルの活用は作業効率化の一環であるから、IT部門に任せておけばいい」と経営層が捉えているケースが圧倒的に多いことにある。
 
Web・デジタルは、いまや単なる作業効率を高める域を超え、ビジネスモデルそのものに大きなインパクトを与えるものであるため、経営者やラインの責任者が戦略的に考えていかねば成功し得ないのだ。
 
201802_01_method_01
 
 

1 2 3