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動かない営業パーソンを動かす方法
林崎 文彦

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2016年4月号


 
営業が動かない理由
 
毎年、年度別に立案したトップ方針をもとに部門ごとの計画が発表され、「前年比○%アップ、積極的な提案営業による受注拡大」などの目標を営業パーソンに対して設定している会社も多いだろう。しかし、「当事者である営業パーソンの自主的な動きが一向に見られない」という話をよく耳にする。
 
なぜ、営業パーソンに動きがないのか。それは、長年培ってきた経験により、ちょうど良い具合にルーティン化しているものを壊したくないからだ。今までと同じやり方では業績が下がることは分かっていても、現在のルーティンの中で解決しようとしているか、またはその振りをしているかのどちらかである。
 
このような状態に陥っている営業パーソンは、動く前に結果を予測し、新しい動きに対する対抗策を全力で打ち出してくる。
 
このように、自社の営業部門に対して大きな悩みを持っている経営者は少なくない。短期的なキャンペーンを開催し、高い目標とハイリターンを設定しても、新しい動きが生まれるというより、数字をうまく操作できる一部の営業パーソンだけが恩恵を受ける結果になってしまうのだ。かといって低い目標とローリターンでは、そもそもやる気を起こすのが難しく、ジレンマに陥ってしまう。
 
筆者は、経営者からそのような相談を受けた際には、営業パーソンが新しい動きをするための目的を、明確にすることが大切だとアドバイスしている。「自社のミッション(使命、理念)が見えない」「自社の中期ビジョンが分からない」という営業パーソンの声が多いからだ。目先の戦闘部分だけが先行し、会社の目指すべきビジョンがしっかり社員に浸透していないため、このような声が上がるのである。
 
そのため、まずは自社の強みを生かして解決できる「社会的な課題」を明確にする必要がある。そして、そこから得られる会社の業績と個人の業績を連動させる。筆者がコンサルティングを行った企業の例を挙げる。同社は、理念(ミッション)を再定義し、自社が解決できる課題を明確にして、ビジョンの浸透を徹底してきた。営業の戦闘力を強化する前にミッションとビジョンの浸透を図り、自社の考え方を根気強く植え付けたのである。これによって社内に帰属意識が芽生え、営業部門において「今、何をすべきか」を自分たちで考える変化が起こった。
 

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