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事業評価指標による
ポジション別の事業戦略判断(前編)
鈴村 幸宏

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2019年7月号


 
 
【図表1】ポジション別の事業戦略

 
 
ポジション別の事業戦略
 
縦軸に「市場の魅力度」、横軸に「自社の競争力」を置き、それぞれの高低の組み合わせで「強化事業」「有望事業」「死に体事業」「残り福事業」と4つの象限に分けたものを「ポジション別の事業戦略」と言い、自社の事業をマトリクス上にプロットし、これから進むべき方向を判断する(【図表1】)。「市場の魅力度」は、事業のライフサイクルと将来成長性から判断する。
 
事業には、開発期・成長期・成熟期・衰退期というライフサイクルがあり、開発期から成長期にかけては、事業成長に伴う先行投資が増大し、キャッシュフローはマイナスとなるため、ある時点で撤退判断が求められる。マーケットの将来成長性が高ければ、事業規模の拡大によるスケールメリットでランニングコストが減少し、キャッシュフローがプラスに転じる。強化事業から有望事業への推移である。成熟期になると競争激化による価格低減が見られ、衰退期に入れば事業規模の縮小によるコスト増加から、キャッシュフローがマイナスとなる危機に陥るため、ビジネスモデルの強化やコストダウンなどによる競争力強化が必要となる。
 
マーケットの規模が小さく、将来成長性が低くても、自社の競争力が高ければ「残り福事業」に位置付けられる。大企業が参入しないニッチマーケットで勝ち残っている中堅・中小企業は、ここに該当する。このような中堅・中小企業は、現業で固定費をカバーしつつ、成長マーケットの新分野で純利益を稼ぐような事業シフトにチャレンジしていただきたい。
 
 

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