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中長期ビジョンは将来へのロードマップ
福元 章士

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2019年7月号


 
 
【図表】全国社長の平均年齢推移

出典:東京商工リサーチ「全国社長の年齢調査」

出典:東京商工リサーチ「全国社長の年齢調査」


 
 
 
今後10年に全国で約半数の社長交代が終わる
 
団塊世代の社長交代が進まず、社長の平均年齢は上昇し続けている。東京商工リサーチの調査によれば、2018年の全国の社長平均年齢は前年より0.28歳伸びて61.73歳と、最新の調査においても最高年齢を更新した。(【図表】)

中小企業経営者の引退時期は68~69歳と推察される(中小企業庁「2018年版中小企業白書」)。つまり、今後10年間で事業承継がさらに加速し、新たな経営者が誕生することになる。そこで、後継経営者がまず手を付けなければならないことは何か、何を優先的に実施すればよいのかについてお伝えしたい。

 
 
中長期ビジョンを考え明示する意義とは
 
後継経営者は、まず何をすべきか?それは、後継者自身が自社の現状を正確に把握することである。自分自身の目で社内を確かめること、いわゆる「現場主義の徹底」から始めるべきだ。
 
大切なのは良否や優劣ではなく、あくまで事実として、自社がどのような状態で、どこに課題を有しているのかを認識することである。これを前提として、自分自身が描く10年後の会社の姿を考える。
 
どのような会社になっていたいか?それは、定性ビジョンと定量ビジョンの2つで示すとよい。
 
例えば、「○○分野でナンバーワン企業になる」という定性ビジョンを掲げるとする。仮に、○○分野の市場規模が1000億円として、ナンバーワンシェア30%を獲得するためには、売上高は300億円が必要だ。そこで、定量ビジョンは「売上高300億円、売上高経常利益率10%以上」と設定する。
 
このように、定性ビジョンを定量ビジョンで具体化すると、社員は達成すべき目標をイメージしやすくなる。ゴールが決まれば、あとはその目標を達成するために、どのような戦略を立案するか検討する。
 
社員の大半は、新しい社長が会社をどのように導いていきたいのかを知る機会がない。新社長が何を考えているのか、分からないことの方が多いだろう。
 
その疑問に答えるのが、中長期ビジョンである。中長期ビジョンこそ、経営者が社員に振り出す“約束手形”なのである。
 
 
 

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