TCG Review

サイト内検索

中堅・中小製造業にIoTがもたらすインパクト
山内 優和

3 / 3ページ

consultant_reviewbanner
2018年1月号


 
IoT導入のポイント
 
IoTの導入を推進するには、次に挙げるポイントが重要となる。
 
(1)導入後の構想策定

 
製造業でいえば、いわゆる「スマート工場」の導入ということになる。が、どのような工場にしたいかというビジョンを持たないと、打つべき施策が場当たり的になってしまう。
 
IoTの導入によりどんな工場に変えていくのか、その出口のイメージを明確化することが大事である。例えば、①ベテラン工場長が引退しても工程を回せる工場にしたい、②少人数でも仕事をこなせる工場にしたい、③ベテランの職人技に頼らなくて済む工場にしたい、などである。

 
(2)アナログ・マネジメントの整備
 
生産性を追い求め、一足飛びにIoTを導入すると失敗するケースが多い。生産管理システムを導入してあまりうまくいっていないのに、性急にIoTを導入してしまうと、失敗したときに後戻りできなくなる。
 
投資が無駄になるリスクがある以上、アナログベースで工場マネジメントを整備した上で、それからIoTの導入に取り組むことが良いと考える。ここでいう工場マネジメントとは、収益・コスト管理、品質管理、納期管理、在庫管理、営業部門・品質保証部門との連携などである。
 
(3)工場マネジメントの見える化
 
オペレーター・設備別生産性や稼働状況、在庫状況などを数値やグラフで見える化し、生産性を高める上での判断材料を用意する。
 
(4)ICT人材の確保
 
外部から採用することだけが手ではない。社内にICTに強い人材はいないか、あらためて適材を探したい。社内人材を活用することによって、IoT導入をスムーズに進めている中小企業もある。社内にICT人材がいれば、IoTを駆使して品質や在庫、稼働率などから「情報間の因果関係を見える化」でき、生産性向上を目指すことができる。

 
このようなことに挑戦していくことが、生産性をダイナミックに向上させることにつながる、と私は考える。そのためにも、「IoTの導入は大企業がすること」とひとごとのように考えず、“わがこと”として捉え、大胆な改革を検討するべきではないだろうか。
 
 

  • タナベ経営
  • コンサルティング戦略本部 大阪本部 部長代理 チーフコンサルタント
  • 山内 優和
  • Masakazu Yamauchi
  • 「工場経営」「品質保証・品質管理」「工場利益の体質転換・原価管理」をコア領域とし、製造業中心に生産戦略構築、工場マネジメント構築、現場のモチベーション向上において自らのノウハウをクライアントに余すことなく提供し続けている。

 
 

1 2 3