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戦略成功の3条件を満たす方法
小池 一嘉

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2017年12月号


天の時+地の利を得る市場創造開発(ビジネスモデル4.0展開)
タナベ経営は、現在の環境下で事業の進化・成長を遂げるための戦略として「ビジネスモデル4.0」を提唱している。これまで日本企業のビジネスモデルは、設備力と販売網による成長(2.0)、商品開発と品質・サービスの追求による成長(3.0)と、環境の変化に合わせて進化してきた。ところが、リーマン・ショックや東日本大震災を経た2010年以降、ビジネス環境や価値観が大きく変化した。そこで「社会性と突き抜ける価値」で成長するモデル(4.0)が求められている。
 
日本は、地方の過疎化、超高齢社会、インフラ老朽化など、社会構造を抜本的に見直す「社会課題解決時代」が到来している。これはある意味において、イノベーションを起こすチャンスでもある。
 
これらの課題マーケットを制するには、商品やサービス単体ではなく、ビジネスモデル全体のデザイン再設計と、突き抜ける価値を追求することが重要だ。そのためにも社会課題を解決する価値と、経済価値の両立を継続性の担保とするのがビジネスモデル4.0の肝である。
 
ビジネスモデル開発には、ドメイン、テクノロジー、ミッションの3つの着眼点がある。ここでは、天の時と地の利を最大限に得るための「ミッション×ビジネスモデル」という開発方法について述べよう。具体的には、企業の社会的使命を縦軸に置き、物質的価値から体験価値や問題解決といったビジネスモデル化を横軸にとったデザインで進めていく手法である。
 
ある新聞販売店を事例に挙げよう。その販売店は、縦軸(ミッション軸)に①「新聞小売業」、②「利用者満足」、③「地域・社会貢献」を、横軸(ビジネスモデル軸)には①「商品販売」、②「サービス」、③「ソリューション」をそれぞれ設定し、各マトリクス上の掛け合わせで9つのビジネスモデルの展開をデザインした。そして最上段右に位置する「地域・社会貢献」×「ソリューション」という視点で、新聞販売拠点網を生かした健康増進サポートの事業アイデア(介護食の宅配事業)を創出した。

 
企業の使命として社会性を追求していくことは、社会価値という事業の付加価値を高めることにつながるため、社会課題を解決する市場創造開発で天の時と地の利を得ていただきたい。
 
 

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