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Vol.6 「目的」をスタートに1

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2020年4月号

 

 

今回から「目的」の大切さをお伝えします。「なぜ?」(原因追求)ではなく「何のために」という問いこそが企業の使命(ミッション)、存在理由につながるというお話です。

 

 

「目的の5乗」の教訓

 

タナベ経営の若松孝彦社長と私との対談(『FCC REVIEW』2019年11月号)で、忘れられない若松社長のフレーズが二つあります。

 

俗に言う「カイゼン活動」の「なぜなぜ分析」では、「なぜ」を5回繰り返して問題の原因を追求します。大切な思考ですが、一方で私はリーダーに必要なのは「目的の5乗」であるとし、「何のために」を5回繰り返せば、目標が目的、使命に昇華されると提言しています。(中略)

 

(私が「理性や感情を一つの志としてイメージする」と語ったことに対して)実は、私自身も全ては「イメージ」「デザイン」から入ります。出来上がっている姿、あるべき姿を「絵」として鮮明に描けない場合は必ず実行の際につまずきます。

 

アドラー心理学では「人間の行動には目的がある」と、人間の行動を探る場合、「原因」よりも「目的」を重視します。人が行動する場合、その人特有の意図・意思があり、それを基に未来へ向けて自分や他者、環境を動かすのを、人間ならではの行動だと見なしているからです。これをアドラー心理学では「目的論」と呼んでいます。これに相反するのが「原因論」です。

 

人間の主体的な意図・意志を伴わずに不具合が発生したような出来事や現象は、「原因論」に基づいて「なぜ?」を5回繰り返し、問題の原因を追求することが再発防止につながり、有益な解決策を得ることもできるでしょう。

 

しかし、経営者が将来のビジョンを描きながら意思決定をするような場面で、原因追求型の「なぜ?」という質問をして過去の何かと関連付けるのは建設的ではありません。それよりも「何のために」と目的を5回繰り返す方が、使命(ミッション)にたどり着くことができて建設的だと思います。

 

経営者は原因を探るための「なぜ?」以上に、目的に到達するための「何のために」を問い掛けることを心掛けてほしいと思います。

 

 

 

 

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