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Vol.47 2030ビジョン「Next Calbee」 食の未来をアップデート
カルビー 代表取締役社長 兼 CEO 伊藤 秀二 氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2021年2月号

 

 

 

 

創業の精神を基盤に数多くの画期的な商品で新しい価値を創造し続けてきたカルビーは、2030年に向けた長期ビジョン「Next Calbee」を策定。食の未来を見据えた先進的かつ独自の取り組みについて、代表取締役社長兼CEOの伊藤秀二氏に伺った。

 

 

コロナ禍が会社の“根っこ”を明らかにした

 

若松 先般は、タナベ経営主催のセミナー「社長教室」ゲストスピーカーとしてのご出講、ありがとうございます。その際、伊藤社長からカルビーの2030年に向けた長期ビジョンについてお聞きし、コロナ禍で大変革を迫られている今だからこそ、全国の経営者の方々にもその意志をお伝えしたいと考えました。

 

ウィズコロナ・ポストコロナ時代に向けたカルビーの「2030ビジョン」について、トップとしてどのような思いで策定されたのでしょうか。

 

伊藤 私は入社から約40年の間、常に企業の本質的な目的を考えてきました。同時に「当社の真の“根っこ”は何だろう」と考えることも多く、「創業者(故松尾孝氏)は何を思って事業を展開してきたのか」「それを引き継ぎ、次の社会のためにカルビーはどうあるべきか」を考え併せながら長期ビジョンを描きました。その後すぐにコロナ禍がやってきて、その“根っこ”が一気に明らかになった感じです。

 

若松 「会社の根っこが明らかになった」という表現に、とても共感します。
私は、「『決定』と『決断』は違う。『決定』は情報がそろった中で決める行為。『決断』は情報不足でも決めなければならない行為。トップの究極の仕事は『決断』にある」と言っています。未曽有のパンデミック影響下において、伊藤社長を含め、多くのトップの方々が「決断」という経営者リーダーシップを発揮されました。カルビーではどのような変化があり、どう対応されたのでしょうか。

 

伊藤 生活様式が変わったことで、プラスとマイナス両方の影響がありました。マイナス面は、インバウンド向け、国内旅行者向けの土産商品がまったく売れなくなったことです。これまでの常識を打破しようと、eコマースへの出品や催事への積極的な参加を決断し、新しい需要を掘り起こしました。

 

一方、プラス面は、「巣ごもり消費」によって、ポテトチップスが爆発的に売れたことです。自社の強みでもあるブランド商品の注文が重なり、フル生産でも出荷しきれないほどでした。こうした瞬間的な需要アップに対応することも、今後の大切な戦略になりました。2024年に稼働予定の広島新工場の竣工と、生産体制強化のスピードを上げなければいけないと痛感しました。

 

 

 

 

 

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