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【インタビュー】

チームコンサルティング対談

クライアント企業などとタナベコンサルティンググループのプロフェッショナル・コンサルチームによる経営対談。企業成長の施策と成果を紹介します。
インタビュー2022.01.05

グループ経営で事業拡大し、未来をリード 武ダホールディングス × タナベ経営

 

 

北海道を拠点にした企業グループを統括する武ダホールディングス。M&Aでグループ経営を加速させる同社は、社会基盤総合開発企業として「まちづくり」と「ひとづくり」を推進。2030年にはグループ売上高300億円、グループ社数25社、グループ社員数600名を目指している。

 

 

M&Aで後継者不足を打開し地域社会に貢献

 

阿部 武ダホールディングス(以降、武ダHD)は10社のグループ会社を傘下に置き、経営コンサルタント業や総合建設業、不動産業、ガソリンスタンド業を展開しています(【図表】)。まず、創業の経緯をお聞かせください。

 

 

【図表】武ダグループの組織図(2021年10月現在)

 

 

武田 創業は私の夢でした。高校は道内有数の進学校で北海道大学に現役合格する生徒が多かったのですが、私は2年浪人しても合格できずに滑り止めの大学へ。そこで「学問には縁がなかったが、会社の創業者になれば、自分の生きた証しになる」と思うようになりました。

 

大学を卒業すると、創業への第一歩として父親の経営する札幌中島塗装へ入社。当時は売上高1億8000万円、社員は私を含めて7名ほど。私は「ゼロベースから何かをつかみ取りたい」と職人からスタートし、施工管理や営業も担当しました。営業力が整っていないゆえに下請け仕事がほとんどで、元請けの言い値で業務に就く日々でした。

 

その経験から「一刻も早く、元請けの総合建設会社になろう」と決意し、新規事業の開拓に向けて道内各所を営業車で駆け巡りました。一方で、1級建築施工管理技士と1級土木施工管理技士の資格を取得し、事業の“総合化”に備えました。

 

2006年に北海道から橋梁補修工事を受注したのをきっかけに業績が上向いたので、塗装業から総合建設業への転換を推進し、2010年には武ダ技建創へ社名変更して社長に就任。総合建設会社として新たなスタートを切りました。そして2014年、39歳の時に武ダHDを創業し、長年の夢を果たしました。

 

阿部 武ダの「ダ」をカタカナにしたのはなぜですか。

 

武田 ダは「やりきる強い意志」を表しています。私が会社を成長させることのできた原動力は、決めたからには必ずやり切る「あきらめない心」です。どんな困難に対峙してもひるむことなく、目的へ向かって邁進するという思いを込めています。

 

阿部 ホールディングス会社への移行も大きな転機になりました。武ダHDを創業した目的を教えてください。

 

武田 武ダHDは純粋持ち株会社ではなく、事業持ち株会社です。主業務の経営コンサルティングを通して「まちづくり」と「ひとづくり」の課題を解決し、社会へ貢献することをミッションにしています。

 

立ち向かう課題の1つが、後継者不足です。北海道では歴史ある優れた会社さえも後継者不足に陥り、地域経済へのダメージが危惧されます。そのため、地場企業に対する経営コンサルティングとともに、M&Aによる子会社化を図り、武ダグループの一員としての継続・発展を支援しています。

 

具体的には、2016年に恵庭建設の株式100%取得したのを皮切りにM&Aを推進。武ダHDの創業後7年で8社のM&Aを実施し、今ではグループ連結で売上高90億円(2021年7月期)、社員300名の規模に成長しました。

 

阿部 売上高は、武田社長が入社した当時の約50倍になりました。ステークホルダーからの信頼を構築しつつ、グループ経営へかじを切ってこられたことが奏功していますね。

 

 

札幌市に本社を構える武ダホールディングス

 

 

グループ経営システムを構築し、持続的成長の実現を目指す

 

阿部 長期ビジョンの目標をお聞かせください。

 

武田 「2030ビジョン」では、グループ売上高300億円、グループ社数25社、グループ社員数600名を目標に掲げています。その達成に向け、武ダHDは「社会基盤総合開発企業」として、グループ企業間のシナジーを高めるとともに、グループの企業数および事業領域の拡大を促進。未来に向けた「まちづくり」と「ひとづくり」に貢献し、武ダグループとして持続的成長を実現しようと考えています。

 

社会のインフラを支える企業として、まちづくりのハード面に関しては「住まいのインフラ」「暮らしのサポート」「スポーツ・ヘルスケア」などへ事業領域を拡充。また、ひとづくりのソフト面に関しては「次世代リーダー育成」「起業家支援」「教育・保育」を念頭に置き、次世代リーダーとして地域社会をリードする人材を社内外に生み出し、彼・彼女らのエネルギーを源に豊かな街を共創していきます。

 

堀部 グループ経営を推進される中、「グループ経営の仕組みづくり」「グループ経営者の育成」にも意欲的に取り組んでおられます。

 

武田 これまでは武ダHDの役員が事業会社の経営会議に参加し、マネジメントしている状態でした。しかし、このやり方では管理工数の限界が見えていたため、グループ経営の充実と加速を見据えて、「武ダグループ経営システム」を構築しました。この仕組みによって、グループ企業間で方向性や価値判断基準を共有でき、シナジーを発揮しやすい仕組みが整いました。

 

堀部 武田社長からグループ会社への経営指導の状況をお聞きした際、マネジメントシステムの構築が急務と判断し、「管理・支援型ホールディングス」に基づいたグループ経営システムを提案しました。

 

一番の特長は「グレードモデル」の設定です。これは自立した経営モデルへと進化を遂げるため、グループ貢献度によってグループ各社の権限を拡大し、自立を促す仕組み。具体的には、ボリューム(規模・社員数)×クオリティー(収益力・管理レベル)×グロー(成長率)でグループ各社を点数化し、グレードを決定。それに基づいて権限を委譲し、自立を促す仕組みです。

 

それと並行して、内部監査機能を伴う「グループガバナンス」、経営・業績・人事管理や営業支援などに直結した「グループ経営企画」の整備も進めました。

 

武田 「経営・ヒト・モノ・カネ」の4大権限の内容を見える化し、グループ会社への「権限移譲の在り方」が明確になっている点を高く評価しています。私はグループ会社の社長へ経営指導を行う際、「目標を達成すると、一般社員が見たこともない景色に出会える」と話します。その景色を目の当たりにし、経営を体感することで、グループへの貢献度を高め、自社の成長を促すという“善循環システム”を構築できると思います。

 

 

 

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