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【インタビュー】

チームコンサルティング対談

クライアント企業などとタナベコンサルティンググループのプロフェッショナル・コンサルチームによる経営対談。企業成長の施策と成果を紹介します。
インタビュー2020.12.28

家’Sハセガワ:地域に密着して、長く暮らせる快適な住まいを追求

 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 新潟支社長 森松 貞治
企業の成長戦略の立案およびビジョン構築、新規事業・新商品開発に数多く携わる。各企業の強み(技術・商品・ノウハウ)に磨きをかけ、勝てる場(新マーケット・新チャネル)へと展開させ高収益企業へと導いている。クライアントの真の強みを見つけ、クライアントと共に育てていく親身なコンサルティングで数多くのファンを持つ。

 

 

ステークホルダーにいつまでも寄り添う

 

森松 「いっしょう、いっしょ」という事業コンセプトにはどのような思いを込められていますか。

 

長谷川 「人は一人では生きていけない。周りに生かされている」という創業者の思いです。“世話焼きの隣人”のように、お客さまや社員、協力会社の方々に寄り添いながら、一生のお付き合いをしていこうといった感じでしょうか。このコンセプトは1998年に「家’Sハセガワ」をコミュニケーションネームとして採用したときに設定しました。

 

森松 確かに、家は「建てて終わり」の商品ではありません。

 

長谷川 その通りです。建てるのは一瞬ですが、住むのは短くても20~30年。建ててからのフォローが重要になります。

 

「ハセガワで家を建てて良かった。こういう幸せを周りにも届けたい」というお客さまの思いが周りにも伝わると、「もっと人に良い影響を与えられる仕事に取り組もう!」と奮起する人、地域で良い仕事をする人が増え、地域の活性化につながると思います。

 

森松 「いっしょう、いっしょ」は、お客さまだけでなく、従業員の自己実現を自分の成長や家族の幸せにつなげてほしいという思いの表れなのですね。

 

河野 その思いを社員にもしっかり習得してもらいたいので、朝礼での3分間スピーチで、「いっしょう、いっしょ」に関わる自分の体験を発表してもらっています。

 

久保田 「いっしょう、いっしょ」に共感したお客さまや社員、協力会社の力で2015年には上越地区における総竣工数が1850棟に達し、地域ナンバーワン企業になりました。

 

長谷川 一番の要因は、「はるめんと」の販売数が伸びたこと。2015年の「はるめんと」の総竣工数は850棟となり、全体の46%に及びます。商品特性が地域のニーズと合致しているのでしょうね。

 

青山 ホームページに「お客さまの満足度93%」とあります。商品以外に高評価を得ている要素はありますか。

 

長谷川 家が完成してからのアフターフォローが充実していることだと思います。「定期点検」、各シーズン前に訪問して快適な家屋の使用法を3年間アドバイスする「シーズン訪問」、5年ごとに訪問して花束をプレゼントし、点検も行う「住まいのアニバーサリー」、そして毎年4月には、全てのお客さまを1軒ずつ訪問して様子を伺う「お客様感謝デー」を実施。お客さまとのコミュニケーションを続け、困り事への対応に取り組んでいます。

 

 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 チーフコンサルタント 青山 雅久
タナベ経営入社後、製造業・建設業を中心に主に製造原価低減、品質向上、作業効率向上をテーマとしたコンサルティングを展開。収益力強化によるコンサルティングにより利益を向上させた多くの成功事例を持つ。また、人材育成を目的とした教育を得意とし、成果が出せる実践型のリーダーを多数育成している。

 

タナベ経営 経営コンサルティング本部 人材開発コンサルティング部
主任 久保田 育恵
人材開発部門でセミナーの企画から運営業務まで一貫して担当し、多くの人材の成長を実現。現在は「人材成長を通じた組織成長の実現」をテーマに「成果を上げ続ける生き生きとしたチームづくり」を支援。新入社員から管理職まで、組織にマッチした研修での丁寧な指導でクライアントからの信頼を得ている。

 

新潟県全域へ快適・健康に暮らせる住宅を

 

森松 2021年には創業70周年を迎えます。長寿の要因は何でしょうか。

 

長谷川 祖父は先の大戦中、軍需工場で工場長を務め、出兵せずに終戦を迎えました。「自分だけ生き残ってしまった」という無念さを抱きつつも、「人の役に立たないといけない」と思って起業。「人をだますような商売は長く続かない。正直な商売をする人が勝つ」という信念を持って幾多の難局を乗り越えました。その信念が70年続く当社の礎になっているのではないでしょうか。

 

青山 地域の皆さんを豪雪から解放したのは偉大な実績と言えます。これから家に対する価値観も大きく変容すると予想されますが、どのような商品やサービスが顧客の心をつかむと思いますか。

 

長谷川 最近は核家族化・少子化が進み、コンパクトに暮らしたいと思う人が増えています。また、多様化も一層加速しています。シンプルでリーズナブルだけど、丈夫で長持ちして生活の変化にも対応していける住宅が必要になると考えます。

 

森松 直近ではコロナ禍の影響で価値観が変わり、家に対するニーズも変わっています。

 

河野 この周辺ではテレワークなどを行う人はあまりいませんが、外出する頻度は激減しています。家でどのように快適な暮らしができるのかを当社からお客さまへ提案することが重要だと思います。

 

森松 特徴的なニーズの変化はありますか。

 

河野 「平屋」の引き合いが多くなったことでしょうか。年配の方だけでなく若い世代からの需要も増しています。屋内をワイドに見渡せ、効率的な動線を描けるので、子育てに適していると思われるようです。

 

森松 多様なニーズに迅速・効率的に応えるためのデジタル化は進んでいますか。

 

河野 業務のデジタル化には意欲的に取り組んでいます。写真や図面を共有したり、チャット機能を使ってコミュニケーションを取ったりすることで、監督が頻繁に施工現場へ出向かなくても工程を管理できる環境整備を進めています。

 

また、ドローンを活用した屋根の点検を行い、その場でお客さまにも状況を確認してもらうことで好評を得ています。さらに、オンラインショールームの企画も推進中です。全社的な取り組みとしては、新しい基幹システムを導入して情報集約を図っています。

 

森松 創業100周年を目指す御社の、今後の事業展望をお聞かせください。

 

長谷川 地域全体の人口や世帯数が減少する中で会社の規模を維持するためには、新潟県全域を面でカバーできるように営業エリアを広げることも考慮すべきだと考えています。それによって、雪深い地域で暮らす方々が快適・健康に暮らせる家を広めていきたいですね。

 

断熱性の高い住宅に住むと疾病率が下がるという近畿大学の研究データがあります。高齢化が進む中で健康的な生活を楽しむためには、快適な住宅で暮らすことが大きなポイントになります。

 

このような潮流の中、当社もコンパクトに暮らしたいというニーズに応え、シンプルかつリーズナブルで丈夫な商品を提供する方向へ進んでいくと思います。その場合、「はるめんと」のコストダウンを前提にした検討を重ね、良いものを値打ち価格で提供していこうと考えています。

 

職人の確保も重要な課題です。木造住宅の建築には大工や左官などの職人が欠かせませんが、その高齢化と人材不足が急速に進んでいます。高度な技術が不要な住宅設計に取り組むと同時に、人材育成にも力を注ぎ、フィリピンからの技能実習生も受け入れる計画です。

 

河野 社員がもっと積極的に前へ出る社風にしないと、会社は成長できないと感じます。そのため創業70周年を記念して制作したビデオでは、今までの歩みや未来像を紹介するシーンで多くの社員を登場させています。会社に対する誇りと自信の醸成につなげたいという思いからです。

 

森松 これからも顧客と一緒に、より快適により永く住み続けられる住まいづくりを追求し、100年企業への道を切り開いてください。本日はありがとうございました。

 

 

住宅の構造や暮らし方にまるごと触れながら家づくりを考えられる、体験型ショールーム「木もれ陽」(上)と「上越すまいステーション」(下)

 

 

PROFILE

  • 家’Sハセガワ(株)
  • 所在地:新潟県妙高市十日市473
  • 創業:1952年
  • 代表者:代表取締役社長 長谷川 覚
  • 売上高:12億1000万円(2019年12月期)
  • 従業員数:37名(2020年11月現在)
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