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【対談】

書籍:著者インタビュー

タナベコンサルティンググループのコンサルタントが執筆した書籍の著者インタビュー。テーマやポイントの解説のほか、執筆動機、読者へのメッセージなどを著者が語ります。
対談2018.09.26

著者:中須悟インタビュー『ホールディング経営はなぜ事業承継の最強メソッドなのか』

タナベ経営のトップコンサルタント、中須悟(ホールディングス・グループ経営モデル研究会リーダー)執筆の「ホールディング経営はなぜ事業承継の最強メソッドなのか」(ダイヤモンド社、2018年)が好評発売中である。事業承継という課題にホールディングス化がなぜ有効なのか、インタビューを行った。

※所属・役職などは発刊当時のものです。

 

 

株式会社タナベ経営
九州本部 副本部長 戦略コンサルタント
中須 悟
2004年タナベ経営入社。2017年より、九州本部副本部長兼ホールディングス・グループ経営モデル研究会リーダー。「経営者をリードする」ことをモットーに、企業の財務収益構造や組織体制、資本構成を大局的かつ戦略的に改革するコンサルティングを得意としている。また上場・中堅企業における事業承継、ホールディング経営推進のスペシャリストとして、建設業、物流業、不動産業、製造業、小売・サービス業など幅広い業種での実績があり、全国で活躍中。著書に『ホールディング経営はなぜ事業承継の最強メソッドなのか』(ダイヤモンド社)、『オーナー経営者のためのホールディング経営』(タナベ経営)がある。CFP®認定者。
ホールディングス・グループ経営モデル研究会

 

ホールディング経営とは?
ホールディング経営とは、サステナブルな企業を目指すための経営戦略です。特長は、企業における複数の目的を同時並行的に解決できること。企業を完全子会社化するのではなく、事業会社同士がパートナーとして横並びになるイメージです。

 

ホールディング経営を通して、大きな社会課題の解決に向けた理念をグループ全体で打ち出すことで、親・事業会社の従業員のモチベーションが上がり、人材活躍の場が広がるなど、事業規模の拡大以外の複合的な課題も解決できます。

 

「世の中に良い影響を与える」という大きな理念が、企業をさらに魅力的な会社にする。それがホールディング経営の神髄です。

 

ホールディング経営と事業承継の関係性
世の中の変化のスピードが速い今、事業やビジネスモデルも素早く刷新し続ける必要があります。そういった面でも、意思決定の迅速化が図れるホールディング経営は時代にマッチしていると言えます。

 

企業がホールディングス化に取り組む際、他社をパートナーとして迎え、新たな事業を創ることがあります。それは、事業会社同士の新しいシナジー(相乗効果)を生み出すことであり、新規事業の開発などによってこれまで自社単独では解決できなかった社会課題も解決できます。

 

ホールディング経営と事業承継の関係性について、まず、本書で言う事業承継とは、後継者選定や相続税対策といった「目先の課題解決策」ではなく、「企業を長期的に存続させるための戦略」です。そして、企業が存続するには、段階的に進化を繰り返す必要があります。

 

一方、ホールディング経営は、「企業を存続させるために組織を進化させる」スキームです。このスキーム設計を通じて、複雑な事業承継に道筋を付けることができます。事業承継に直面している企業は、1つずつの問題を個別に解決していくのではなく、企業としての大きなスキームを描き、総合的に解決するスタンスを取っていただきたいと思います。

 

読者へのメッセージ
多くの業種で国内マーケットの成熟化が進んでおり、企業は伸び悩んでいます。このような環境下であっても、生き残るための経営戦略を描き、実行に移しましょう。また、その過程で、次期経営者を育てるための組織づくりも行うことが、自社の持続的な成長につながります。

 

長期的な視点に立ち、自社のホールディング経営戦略を描いて、100年先も顧客から一番に声のかかる企業「ファーストコールカンパニー」を目指しましょう。

 
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