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【対談】

書籍:著者インタビュー

タナベコンサルティンググループのコンサルタントが執筆した書籍の著者インタビュー。テーマやポイントの解説のほか、執筆動機、読者へのメッセージなどを著者が語ります。
対談2021.03.30

著者:古田勝久インタビュー「経営者のための『戦略人事』入門」

タナベ経営のトップコンサルタント、古田勝久(戦略採用研究会リーダー)はこのほど、「経営者のための『戦略人事』入門」(ダイヤモンド社、2021年)を執筆、現在好評発売中である。著書への思い、戦略人事とは何か、これからの人事部・HRについてインタビューを行った。

※所属・役職などは発刊当時のものです。

 

 

株式会社タナベ経営
九州本部 本部長代理 戦略コンサルタント
古田 勝久
自動車部品メーカー、食品メーカーの人事部門にて採用・人材育成・人事労務業務を経て、2017年タナベ経営入社。2021年より、九州本部本部長代理兼戦略採用研究会リーダー。現場で培ったノウハウをもとに、戦略的な人事・組織の実現に向けて経営的視点からアプローチし、九州の上場企業・中堅企業の成長を数多く支援している。著書に「経営者のための『戦略人事』入門」(ダイヤモンド社)がある。
戦略採用研究会

 

戦略人事とは何か
古田:これまでの管理型人事と戦略人事の一番の違いは、経営に直結するかしないか、ということです。

 

ウィズコロナ環境に適応した人材マネジメントが出来ないと、会社が存続できない状況になりました。つまり、人事が管理機能ではなく、戦略的にマネジメントをする機能へと変化しなければならない状況になったのです。

 

実際にはコロナショック以前から、働き方改革による多様な人材の確保、少子化による人材不足、人材の流動性の高まりなど、働く人の価値観や人材の関する経営環境には変化が生じていました。

 

ところが、新卒一括採用などをはじめとする「日本の人事の常識」は変わることなく現在に至っています。しかも事業戦略を検討する場に人事部長がいないことも珍しいことではありませんでした。

 

しかし、これからは経営を止めないための人事をしなければ新しい環境に適応できず、会社が存続できない状況になっています。

 

これからの人事について
古田:これからの人事は、管理・オペレーション業務に終始するのではなく、消費者や働き方の価値観の変化に対応した「新しい事業戦略」を達成に導くような機能を併せ持つべきです。

 

例えば、DX推進に伴うシステム開発の内製化に優秀なシステムエンジニアが5名必要であった場合、そのための組織・体制の整備、人材の確保などが挙げられます。

 

また、企業にとって必要な環境適応の1つに、多様な人材・働き方を認めることが挙げられます。多様な人材が集まれば、今までと違う視点やアイデアが組織の中に生まれ、意思決定の多様化やイノベーションの創出が期待できます。

 

人事が経営に直結する機能として役割を発揮できるかどうか、それは「人事の在り方そのもの」「今までの常識」について、経営者が考え方を変えられるかどうかにかかっています。

 

とはいえ、「今までの常識」は自社だけで変えられるものではなく、社会全体がその仕組みや方法論について変わっていかなければなりません。そこを先駆的に取り組んでいけるかどうか。社会全体がこのような価値観の変化に対応していければ働く人の多様性も高まり、結果的にイノベーションが起きやすい世の中になっていくと思います。

 

読者へのメッセージ

 

古田:経営を取り巻く環境が大きく変わる中、これからは人事が経営のパートナーとならなければなりません。

 

人事部門が『業績をつくる』という意識を持ち、戦略的な人事(戦略人事)へとアップデートし、『自社が生き残る組織や人をつくる』というミッションを果たすことが必要です。

 

書籍のなかでは、採用、処遇・評価制度、育成について改善の方向性を具体的に述べています。最終的には自社のミッション、事業戦略と照らし合わせて「自社の戦略人事」を描いていただきたいと思っています。

 


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