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100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【インタビュー】

100年経営対談

注目企業のトップや有識者と、タナベコンサルティンググループ タナベ経営の社長・若松孝彦が「100年経営」をテーマに対談。未来へ向けた企業の在るべき姿を描きます。
インタビュー2019.06.28

vol.36
シリコンバレーのスタートアップ企業と共に日本でイノベーションを起こそう
プラグ・アンド・プレイ ジャパン 代表取締役社長 フィリップ・ヴィンセント 氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2019年7月号

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イノベーションの成否は
コミットメントの量で決まる

若松 ここ数年、日本においてもスタートアップの機運が高まりつつあります。

フィリップ 大企業が短期間で多くのイノベーションを起こす方法として、スタートアップとの連携が非常に注目されるようになっています。スピーディー、かつフレキシブルに活動するスタートアップと連携することで、他社に先んじてイノベーションを起こすことが可能になる。そうした理解が大企業の間で広がっているのだと認識しています。

若松 スタートアップとの連携を成功させている企業とうまくいかない企業があります。違いはどこにあるのでしょうか。

フィリップ パートナー企業になるだけで、イノベーションが起きるわけではありません。まず、企業内に受け皿となる「チーム」が絶対に必要です。

最近は、日本でも「オープンイノベーション室」や「イノベーション推進室」といった、全社を統括する専門チームを置く企業が増えています。その流れは良いことですが、そうした専門部署がスタートアップとコミットするだけでは不十分です。経営層や事業部とスタートアップの間にコミットメントがないと前に進みません。各階層のコミットメントが重なって、ようやく連携が動き出します。「コミットメントの量が成功確率を上げる」と言っても過言ではありません。

若松 会社全体としてイノベーションに向き合わないと成功しない。これはコンサルタントとしての経験からも非常に共感します。さらに言えば、たとえ失敗したとしても、その経験を各階層、部署間で共有できれば次に生かすことができます。

フィリップ フィードバックを次に生かすことで、成功率はどんどん上がっていきます。そもそもスタートアップの世界は、「スタートアップ100社と会い、その中の10社と実証実験を行っても、成功するのは2社あれば良い方だ」といわれています。まずは、たくさんのスタートアップと会って、一つずつコミットメントしながら進めていく。これがスピード感のあるイノベーションを成功させる鍵になります。

若松 私は「常識を疑うところからイノベーションが生まれる」と言っていますが、私自身、シリコンバレーへ出張した際に「スタートアップファースト」という言葉を聞いて衝撃を受けました。自社に必要な技術やビジネスモデルを持つスタートアップを探すことも大事ですが、スタートアップ企業や技術からビジネスを発想するとイノベーションのステージが飛躍的に高まるというアプローチを知りました。

フィリップ おっしゃる通りです。ただ、スタートアップには段階がありますし、企業によってスタートアップと連携する理由は異なりますから、やみくもに会っても良い成果は生まれません。

PnPには多くのスタートアップを支援してきた経験があり、企業の見極めやマッチング、成功に向けたプログラムやアドバイスなどに自信があります。スタートアップとの連携はピッチを聞くことからスタートしますが、次の段階として、どのように連携するのか、実証実験に進むためにどうすべきかについては、PnPがファシリテートすることで成功率を上げられると考えています。

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