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100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【インタビュー】

100年経営対談

注目企業のトップや有識者と、タナベコンサルティンググループ タナベ経営の社長・若松孝彦が「100年経営」をテーマに対談。未来へ向けた企業の在るべき姿を描きます。
インタビュー2018.11.30

vol.31
「よい医療は、よい経営から」をコンセプトに
日本型ヘルスケアビジネスの完成へ挑む
総合メディカル 代表取締役 社長執行役員 坂本 賢治 氏
× タナベ経営 若松 孝彦

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2018年12月号

全国津々浦々へM&Aでチャネルを拡大

若松 2000年に東京証券取引所第2部、翌年には第1部へ株式上場を果たされました。やはり、会社は公器という考えや中立性を大事にする社風が上場を目指す背景にあったのでしょうか。

坂本 「透明性の証し」と言う方がよいでしょう。私が入社した当時から、「会社を私物化しない」という言葉はよく聞いていました。また、社内では「全国規模で事業展開したい」とも話していました。その手段として上場を意識して事業を進めていたように思います。特に、収益の要であるレンタル事業の拡大は常に重要な経営課題に挙がっていました。そこで、全国に営業拠点を持つ旧オリックス・メディアサプライ※を2001年に買収。これは同年の東証1部上場と合わせて、全国展開の弾みになる出来事でした。1店舗ずつ全国に広げていくには大変なエネルギーと時間がかかりますが、M&A(合併・買収)で一気に全国へ拠点を広げることができました。

若松 チャネル、つまり供給体制が出来上がったわけですね。M&Aは全国展開が一気に現実味を帯びる転換点となりました。ただ、総合メディカルは類を見ないビジネスモデルであり、上場の際には苦労も多かったのではないかと想像できます。調剤薬局やリース業に限定するとビジネスモデルは分かりやすくなりますが、あくまで「よい医療」の実現に向けた医療機関のトータルサポートという事業領域にこだわってこられました。上場後に始まった、医師の転職・開業・継承を総合的にサポートする「DtoD」(Doctorto Doctor)システムもその延長線上にあるビジネスと言えます。

坂本 「DtoD」を始めた2001年には、第4次医療法改正が施行される中で、医師の臨床研修の必修化(2004年4月より施行)が明文化されました。同制度はメリットも多くありますが、研修医がより多くの経験を求めて都市部の研修医療機関に集中する傾向もあり、地域間の医師の偏在が顕著になる事態を招きました。こうした状況下、地方病院から「医師を紹介してほしい」という要望を受けたことから、医師を募集して紹介する仕組みを作ったのが始まりです。よい医師はよい医療の原点であり、医師の招聘は病院のトップが意思決定に関わる重要事項。当社はここから理事長に会う機会が格段に増加しました。

若松 単なる人材紹介ではなく、よい医療を実現するためのビジネスモデル。ここでも企業の根幹がぶれていません。さらに、医療現場のトップと接点が増えれば経営課題が見えやすくなり、次のビジネスにもつながります。

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