vol.29
時代を感じ、現場を見つめ、商機に変える経営哲学
ハイデイ日高 代表取締役会長 神田 正氏
× タナベ経営 若松 孝彦
2018年10月号
売上高406億円、経常利益45億円、経常利益率11.3%。15期連続増益と躍進を続ける東証1部上場企業のハイデイ日高。急成長の裏にあるのが時代の変化を商機に変えるトップの決断力と、社員を大事にする経営哲学だ。一代で400 店舗を超えるラーメンチェーンを築いた、同社の代表取締役会長・神田正氏に経営の要諦を伺った。
社員に支えられ15期連続増益を達成
若松 「熱烈中華食堂 日高屋」「焼鳥日高」などをチェーン展開するハイデイ日高は、首都圏を中心に400店舗以上を運営。売上高は前年比5.5%増の406億4300万円(2018年2月期)と東証1部上場企業として持続的成長を遂げていらっしゃいます。
神田 特別なことをして伸びたわけではなく、当たり前のことをやってきただけです。うちの商売は中華料理に携わる人なら誰でもできるビジネスですが、武器があるとすれば社員でしょうね。社員が会社を大きくしてくれました。
若松 業績を拝見すると経常利益率が高いという特徴があります。さらに、過去最高益の更新が続いています。高い業績を維持する企業には、好業績を生み出す仕組みや文化が根付いているものです。
神田 おかげさまで、営業利益、経常利益ともに15期連続で過去最高を更新しています。企業文化という意味では、無駄遣いしない文化が浸透しています。私自身、一度も社用車を持ったことはありませんし、接待交際費を使いません。上の背中を見て社員にも無駄遣いをしない文化が浸透していますから、当社に接待交際費はほとんどありません。世の中には接待交際費の金額(の大きさ)を自慢する会社もありますが、そのお金を社員の給与に充てたい。これが私の考え方です。そうすれば、社員の家族も喜んでくれますから。
若松 まったく同感です。私も社用車は持っていません。業績は日々の積み重ねで作られます。好業績を継続するには、トップをはじめとする社員一人一人に業績を作り出す行動が落とし込まれていることが重要ですね。