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100年先も一番に
選ばれる会社へ、「決断」を。
【インタビュー】

100年経営対談

注目企業のトップや有識者と、タナベコンサルティンググループ タナベ経営の社長・若松孝彦が「100年経営」をテーマに対談。未来へ向けた企業の在るべき姿を描きます。
インタビュー2018.04.27

vol.26
ヒット商品の極意 企業は旗を掲げよ!
商品ジャーナリスト 北村 森氏
× タナベ経営 若松 孝彦

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2018年5月号
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ヒット商品が出にくい時代――。そういわれて久しいが、商品ジャーナリストとして多数の商品を見てきた北村森氏は、むしろ「ヒット商品は出やすくなっている」と断言する。ポイントは、旗を掲げて消費者を動かすことだという。専門化する消費者を揺さぶる商品開発の要諦を伺った。

マーケットインからヒット商品は生まれない

若松 本誌の創刊以来、「旗を掲げる!地方企業の商機」をご連載いただきありがとうございます。毎号、地方発のヒット商品にまつわる誕生秘話をワクワクしながら拝読していますが、地方には高い技術や素晴らしい素材を生かした秀逸な商品と出会う機会が非常に多い。私自身も、全国を回る中でそのことを強く実感しています。その半面でよい商品があまり認知されていないことを残念に思っています。企業にとっても、消費者としても非常にもったいないと。

北村 私は2005年から3年間、『日経トレンディ』(日経BP社)の編集長を務めていましたが、心掛けていたのは企業と消費者、その両方に向けた視点で商品を見ること。その観点から、企業に対して「この部分は少し違いませんか?」と伝えていましたし、消費者に向けて「その選び方は間違っていませんか?」と問い掛けることもありました。企業と消費者が行き違ってしまう原因の1つは先入観です。例えば、「地方においしいものはない」という消費者の思い込みや、「どうせ消費者は動かないだろう」という企業の決め付けなど。先入観があると、せっかくの機会を逃してしまいます。

若松 企業と消費者、それぞれの先入観が両者の距離を広げてしまったわけですね。

北村 「マーケットインからヒット商品が生まれる」も先入観ですよ。今の時代、消費者に合わせて商品を作るのではなく、消費者を動かす商品を作ることが大事。消費者は自分の本音には気付いていません。漠然と「どのような商品が欲しいか?」と聞かれても、案外答えられないものです。

若松 同感ですね。私も含めて消費者が、自身の経験の枠を超えて答えることなど不可能です。実際の新商品を目にしたときに初めて、自分が欲しかった商品かどうかを判断できるようになる。

北村 おっしゃる通りです。今、消費者とやりとりをしながら商品を作るインタラクティブが盛んですが、企業が「消費者は答えを持っている」という先入観を持つことは危険です

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